JR東日本は30日、2013年度の設備投資計画を発表した。設備投資額(単体)は4,450億円(前年度実績比400億円増)で、新型車両の投入や新路線開業への準備、駅の整備などを進める。
今年度の設備投資計画は、昨年秋に発表した「グループ経営構想V ~限りなき前進~」にもとづき、大規模地震対策と被災線区の復旧に取り組むとともに、安全性の向上や将来の成長のための設備投資も推進するという。
新幹線では今年3月にデビューした秋田新幹線直通用のE6系を追加投入するほか、2014年度末の北陸新幹線金沢開業に向け、新型車両E7系の製造など諸準備を着実に進める。
在来線では、東北縦貫線(東京~上野間に新路線を建設し、東海道線と宇都宮線・高崎線などを乗換えなしで結ぶ計画)の2014年度中の開業に向けた準備を推進。埼京線と横浜線へのE233系の投入も進める。烏山線では2014年春より、蓄電池駆動電車(EV-E301系)の営業運転が開始される予定。東北地方の路線では、乗ること自体が目的となるような新しい列車として、「SL銀河鉄道(仮称)」および「Tohoku Emotion」も今年度中に運行開始予定だ。
山手線は大塚駅や巣鴨駅など7駅で新たにホームドアを使用開始。東京駅で「Tokyo Station City」として進められる計画のうち、八重洲口開発(中央部・グランルーフ)が完成し、今年秋の開業を予定している。東京駅構内全体で共通ネットワークも整備し、公衆無線LANの拡充、スマートフォン向けアプリやエリアワンセグ放送を通じた鉄道関連情報の提供も行う。
京葉線海浜幕張駅では駅ナカ商業施設が開業するほか、さまざまな環境保全技術を導入した「エコステ」モデル駅としての整備も完了予定。その他、中央ラインモール「nonowa 武蔵境」や神田万世橋高架下開発、JR大塚駅南口ビル(仮称)も開業する。
被災線区の復旧も国・地方自治体と協議しながら着実に進めるとのこと。大規模地震対策として、高架橋柱、橋脚、駅舎などの耐震補強に加え、盛土やレンガアーチ高架橋、電化柱の耐震補強、駅とホームの天井・壁の落下防止対策なども本格的に進めるとしている。