財務省は26日、中尾武彦前財務官(57歳)がアジア開発銀行(以下、ADB)次期総裁に全会一致で選出されたと発表した。就任は28日付となり、任期は前総裁の黒田東彦氏(68歳)が務める予定だった2016年11月23日までとなる。
中尾氏は、1978年大蔵省入省後、大阪国税局泉大津税務署長、証券局、主税局、国際金融局の課長補佐などを歴任。1994年にIMF(国際通貨基金)政策企画審査局審議役に出向した。1997年に大蔵省に復帰後、銀行局金融会社室長、財務省国際局国際機構課長、主計局主計官(外務・経済産業・経済協力担当)、国際局開発政策課長、同総務課長などを経て、2005年7月に在米国大使館公使、2007年7月に財務省国際局次長、2009年7月に国際局長、2011年8月に財務省財務官に就任。2013年3月下旬に総裁選に立候補するため財務官を辞職し、財務省顧問となっていた。
麻生太郎財務大臣は中尾氏の選出について、「中尾氏を支持していただいたADB加盟各国に感謝の意を表明するとともに、中尾氏がこれまで培ってこられた豊富な国際金融および開発の分野におけるご経験を活かして、ADB総裁として素晴らしい活躍をされることを期待している」との談話を発表している。