ドワンゴは六本木・ニコファーレにて11日、「ニコニコ超会議2」に関する発表会を開催した。細かい発表は今後もまだあると思われるが、大きな発表会としてはおそらく今回が最後となる。その内容をまとめてみよう。
「ニコニコ超会議2」は4月27日、28日に幕張メッセ全体を貸しきって行われるニコニコ動画最大のイベントだ。昨年行われた第1回では、「ニコニコ動画のすべて(だいたい)を地上に再現する」ことをコンセプトに、ニコニコ動画の多種多様なジャンルを網羅。2日間で合計9万人以上を動員した。いちインターネットサイトによるイベントとしては異例の規模である。一方で赤字額は4億円にも膨れ上がったが、各種メディアで報道されたことによる広告効果はそれを補填するに十分だったと思われる。
あれから1年。再びニコニコ超会議が開催される。すでに何度か発表会が開かれているが、今回の発表でついにその全容が明らかになった。
とてもすべてを書き記せるほどの分量ではないので、目玉となる部分をピックアップして紹介しよう。まずは会場全体の配置からだ。
会場は全部で1~8ホール。入り口は1ホールに設けられており、通常入場口と優先入場口がある。この他にもバスツアーの来場者には専用の入場口が用意される。1ホールから中に入ると、まずは企業ブースが立ち並ぶ出展企業エリアだ。少し入ったところには政党ブースが固まって配置されており、自由民主党・民主党・共産党・日本維新の4党が出展する。自由民主党ブースには選挙カーもお目見えする。
そのすぐ隣にあるのが超フードコートだ。ニコニコ動画には「料理」というカテゴリがあり、ユーザーが斬新な料理を多数投稿しているが、今回もそれらをもとにした個性豊かなメニューが用意される。前回はあっという間に売り切れてしまったため、今回は材料を増やして対応するという。ちなみに自由民主党の石破茂氏オリジナルの「石破カレー」もメニューに追加されている。フードコートの逆サイドにあるのが「BLUE STAGE」だ。ここではトークを中心とした様々なイベントが開催される。
ここまでが1~3ホールの展示となる。続いては4~6ホールへ。ここがもっともニコニコ動画らしさのつまった、メインとなる部分だ。
「超ゲームエリア」や「超踊ってみた」「超ユーザー生放送」「超鉄道エリア」「超歌ってみた のど自慢ステージ」「超ボーカロイドエリア」「超囲碁・超将棋」「超ニコニコ言論コロシアム」「第4回ニコニコ学会βシンポジウム」「超もふもふ毛玉牧場」など、非常に濃厚なエリアが集まっており、かなり混沌とした雰囲気がただようと思われる。
目玉となるのはなんといっても自衛隊ブースだろう。10式戦車(本物)が展示され、陸海空すべてが揃い踏み。そのすぐ隣が「超アイドルマスターステージ」というのも、実にニコニコ動画らしくていい。
また、6ホールには前回も好評だったニコニコ神社が配置されている。昨年は2組のカップルが結婚式を挙げたことで話題となったが、今年も1組のカップルがニコニコ神社で挙式することが決まっている。なんと今回のカップルは、出会ったきっかけが前回の超会議だったそうだ。
そして7~8ホールだが、ここは併催系のイベントが主に配置される。DAY1とDAY2でややイベントラインナップは異なるが、主に「超文学フリマ」「博麗神社例大祭 超濃縮版」「THE VOC@LOID 超 M@STER 24」などが開催予定だ。さらに「超ZUNビール~ひろゆきを添えて~」や「ニコニコ超パーク(前回の運動場にあたるエリア)」「超ボカニコ村」「RED STAGE」などもこのホールにある。
うれしいのは、ホール最深部にもう一つの「超フードコート」が用意されているということだ。昨年は食べ物が本当に一瞬でなくなってしまい、フードコートに人があふれてしまっていたので、これは気の利いた措置だろう。
さて、今回の発表会で明らかになった新情報は以下の通りだ。
まずは「ライブドローイング in ニコニコ静画の超Tシャツ工房2」。「はじめの一歩」の森川ジョージや「あしたのジョー」のちばてつや、「ラブひな」の赤松健、「モテキ」の久保ミツロウ、「毎日かあさん」の西原理恵子など著名漫画家が14名登場し、ライブドローイングイベントを開催する。テーマは「一歩 VS ジョーの対決を後ろで見る各作品のキャラクターたち」という感じになる予定らしいが、どんなイラストができあがるかは当日のお楽しみだ。このライブドローイングで完成したイラストはTシャツ等に印刷して通販を行い、収益は東日本大震災復興支援にあてられる。
さらに、自衛隊に続き、在日米軍が超会議に参戦。「在日米陸軍ブース」を出展する。ここでは「Operation TOMODACHI」関連のパネル展示のほか、「在日米陸軍軍楽隊」が来場して会場でブラスバンド演奏とロックバンド演奏を行う予定だ。また、自衛隊、在日米軍、来場者で「超2525(ニコニコ)中隊」を特別結成するという。
先日、仮釈放されたばかりのホリエモンこと堀江貴文氏も、急遽超会議への参加が決定した。昨年はまだ収監中だったため、檻のオブジェ付き等身大パネルが展示されていたが、今年は本物だ。会場では生放送への出演や、「超ニコニコ言論コロシアム」への参加、会場の視察などを行うという。30kgの減量に成功した堀江氏にちなんだ、「30kgダイエットフード」メニューもフードコートで販売される。この日の発表会には堀江氏も登場し、「前回の超会議は収監されていたので蚊帳の外で寂しかった。(提案された企画を)やりますよ」と意欲を見せていた。
海外からも新たに参戦が決定した。世界中で大ヒットしているカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」だ。いったいどんなブースになるのか、ファンは楽しみにしてほしい。
最後に、「陰陽師」「餓狼伝」「神々の山嶺」などで知られる作家の夢枕獏が超会議に登場する。いったい何をするのかと思いきや、なんと代表作の一つでもある「キマイラ」を「ニコニコ超会議2」にて連載再開させ、その第1話を来場者の目の前で公開執筆するというのだ。1万字の原稿を果たして見られながら書き上げられるのか。何とも面白い企画になりそうだ。
続いて、幕張メッセに併設されたホールでニコニコ超会議2後に開催される「ニコニコ超パーティー2」の最終発表を紹介しよう。
ニコニコ超パーティーは昨年、出演者が250名にも及んだ大規模なライブイベント。今年も著名なニコニコユーザーに加え、ドアラ、中川翔子、川越達也、SOPHIA松岡充らの出演が決定していたが、さらにDAY1には福山芳樹、小林幸子が、DAY2には奥華子が出演することが発表となった。
福山芳樹はJAM Projectの一員で、ニコニコ動画で大流行した「真っ赤な誓い」の歌手として知られている。また、小林幸子は紅白で披露していた派手な衣装から、ニコニコ動画というよりもネット全体で「ラスボス」として有名であり、昨年の大晦日はニコファーレにCG映像で出演したこともある。今回は期待に応えて、重さ1トンほどの"衣装"で登場する予定だという。また、奥華子はかつて「奥華子 歌ってみた企画」などを通じてニコニコ動画と関わりがあり、そのあたりから今回の出演に至ったものと思われる。
今年は前回に比べるとやや有名人の出演が少なめだが、出演者全体では約350名と100名ほど増加しており、前回以上の盛り上がりを期待したいところだ。
……ということで超会議2、超パーティー2ともにほぼすべての情報が出そろったわけだが、全体としては昨年のバージョンアップ版といって差し支えないだろう。好評だった部分は残しつつ、改善点は着実に改善してきている印象だ。
5年間の集大成だった昨年ほどの新鮮味はさすがにないかもしれないが、ニコニコ動画という"場"が好きなユーザーにとっては、今回も安心して楽しめるイベントになるはずだ。