みどりの窓口の指定券予約システム「マルス」を運営する鉄道情報システムが、じつは鉄道ファン向けのモバイルサイトも運営しているのをご存知だろうか? その名も「周遊 鉄道写真館」。鉄道写真にフォーカスし、コミュニティ機能も活発だという。昨年よりスマートフォンにも対応し、コンテンツもますます充実しているとのこと。

周遊 鉄道写真館」トップ画面

「全日本鉄道車両図鑑」画像ダウンロードOK!

3月16日のダイヤ改正に合わせて、秋田新幹線E6系「スーパーこまち」や、引退間近の200系に関する特集コンテンツも準備中とのことだ。鉄道会社による、鉄道撮影ファンのためのモバイル鉄道サイトを体験してみた。

待受画像は3,000枚! 投稿写真は5万枚以上!

「周遊 鉄道写真館」はその名の通り鉄道写真がメインコンテンツ。メニューのトップは「全日本鉄道車両図鑑」で、約3,000枚を待受画像として公開している。新幹線や特急列車などの人気列車はもちろん、「鉄道会社別一覧」「JR・国鉄一覧」「私鉄(地方別)一覧」などのリストを用意。キーワード検索も使えるから、見たい車両を簡単に見つけられる。

投稿写真コーナーもあり、現在の収録数は5万枚を超えているという。こちらもダウンロードし放題。リアルタイムな鉄道情景を携帯電話やスマートフォンに取り込み、待受画面にすることも可能だ。そこで投稿した方に感謝しつつ、3月16日で廃止になる東急東横線渋谷駅の写真を待受画面に設定にしてみた。旬な写真や懐かしい時代の写真を持っていれば、「テツ」ではない同僚や上司、お客さんとの話題のきっかけになるかもしれない。

写真投稿のメリットは、プロの写真家・柳澤俊次氏と会員からのコメントが得られること。ダウンロードや閲覧回数に応じて人気ランキングが上がっていく。評価の高い写真は優秀作品コーナーに掲載されるし、公式コンテンツとして「全日本鉄道車両図鑑」に収録されることも。いわば殿堂入りというわけだ。

なお、写真投稿などを行う場合は有料会員登録が必要で、NTTドコモとソフトバンク(ヤフー携帯)は月額210円、auは月額200円。スマートフォン版の有料コンテンツはNTTドコモとau / KDDIの端末のみに対応しており、月額210円となっている。

壁紙を旬の鉄道写真にできる

投稿写真優秀作品にプロのコメントが!

また、全国の駅名標をみんなで投稿してコレクションする企画「駅名標フォトラリー」もあり、100%をめざして現在進行中。ここから投稿を始めてみたらいいかもしれない。サイトに参加したら、最寄り駅を撮影して投稿してみてはいかがだろうか? なお、企画開始から1年ほどで80%の駅を網羅しており、関東・関西・中部地方はほぼコンプリート。北海度と九州が少なめとのことで、住んでいる人、旅に出た人はぜひ投稿してみよう。既存の駅にも追加できるので、こだわりのアングルを追加するのもいい。京急電鉄では駅名標を黒地の新デザインに変更中なので、新駅名標の写真を投稿して新旧比較するのも楽しい。

情報が飛び交う掲示板に、プロの写真家も参加中

掲示板機能による会員同士の交流も、「周遊 鉄道写真館」の魅力。掲示板のジャンルは、「はじめまして」「車両・路線」「列車旅・写真談義」「鉄道コレクション」「駅名標フォトラリー」「フリー」の6つ。自己紹介コーナーで趣向の似た仲間を探しても良し、ジャンルごとに話題に参加したり、新規スレッドを立てて情報を募ったりするのも良し。掲示板の上位スレッドを眺めてみたところ、穏やかで落ち着いた雰囲気だ。

投稿するには有料会員登録が必要だけど、閲覧は無料。こちらも全国各地のリアルタイムな鉄道の情報や、ディープな知識が得られそう。「撮り鉄」向けコンテンツが売りというけれど、なかなかどうして、「乗り鉄」にも役立つ情報がある。「鉄道高架事業の進捗で柵が撤去!」なんて話は、「撮り鉄」にとっては「撮影しやすくなった」だし、「乗り鉄」にとっては「車窓が広がる」となるわけだ。旅立つときにスレッドを立てて情報を募集し、コメントをもらいながら旅をする、というスタイルも定着しているようだ。「駅名標フォトラリー」スレッドは写真投稿コーナーのサポート用として機能している。

鉄道写真のお役立ちコラム「柳澤俊次の列写術」

旅に出た気分「Rail Trip Zipangu」

掲示板には、プロのカメラマンで「周遊 鉄道写真館」のコーディネーターでもある柳澤俊次氏も参加している。プロカメラマンと掲示板で交流できるサイトとは珍しい。

柳澤氏は大阪芸術大学で写真技術を研さんし、下積み時代を経て、国鉄の「いい日旅立ち」キャンペーンポスターで広告写真家としてデビューした人物。黒澤映画の広告写真をはじめ、現在も企業広告など幅広い分野で活躍しており、鉄道分野以外でも豊富な経験と知識を持っているとのこと。「周遊 鉄道写真館」では、撮影ガイド「柳澤俊次の列写術」や紀行コラム「Rail Trip Zipangu」も担当している。

鉄道写真をメインに据えて、情報交換やお役立ちコラムも楽しめる「周遊 鉄道写真館」。今後もE6系や200系に関する特集コンテンツをはじめ、ダイヤ改正以降も「駅名標フォトラリー」に続く新企画など、列車や駅にフォーカスした特集やイベントを構想中とのこと。無料で閲覧できる部分も多いので、鉄道ファンならのぞいてみる価値ありだろう。