クリーニングはいま、サービスも充実し、価格も以前と比べてリーズナブルになっているそう。面倒だと思わずクリーニングを活用できれば、いまよりさらに清潔感あふれる人になれるかも……。ただ、そうはいっても「クリーニングに出していい衣類」「クリーニングに出してはいけない衣類」もあるというし、そのあたりの事情をちゃんと知っておかないと、一歩踏み出せないかもしれないですよね。

クリーニングOK・NGの衣類をあらかじめ知り、使い分けることが大事

クリーニングに出さないほうがいい衣類もあるそうなので、要注意! (写真はイメージ)

そこで今回も、日々の生活がもっと便利になること間違いなし! のクリーニングの知識について教えてもらいました。今回も筆者の素朴な疑問に答えるのは、全国無料宅配クリーニングサービス「せんたく便」を運営するヨシハラ代表取締役、吉原保氏。

――前回前々回のお話で、いまのクリーニングがすごく進化していることがわかりました。お気に入りの衣類すべてをクリーニングに出してもよさそうですね。

吉原氏 「はい、多くの衣料についてはお任せいただけたらと思っています。サラリーマンのワイシャツのように、使い方のローテーションができている衣料はもちろん、コートなど季節物の衣料をクリーニングし、保管するサービスを提供しているところもあります。それらについては積極的にクリーニングを活用してほしいのですが、一方でクリーニングできない衣料もあります」

――「クリーニングできない衣料」とは?

吉原氏 「たとえば、『合皮』といわれるウレタン製品やボンディング加工品はクリーニングには適しません。ウレタン製のものは水分、熱、脂など、さまざまなものの影響を受け、劣化が早いのです。基本的に製造から3年くらいがウレタン加工品の寿命とされています。重要なのは、3年といっても『販売されてから』ではなく、『製造されてから』ということ。買った時点ですでに経年劣化が進んでいる状態だったということもありえます」

――「ボンディング加工品」というのは?

吉原氏 「合皮製品の場合、繊維に接着剤でウレタンをコーティングしているものもあります。ボンドで加工するため、『ボンディング』と呼ばれています。布にボンドでポリウレタン素材を貼り合わせているんですね」

――それらの素材が、クリーニングと相性が良くないわけですね。

吉原氏 「はい。クリーニングの際に発生する熱や水、溶剤などによって経年劣化を進行させ、さらには接着剤を剥げさせてしまうことがあります。経年劣化で積み重なったダメージが、クリーニングをきっかけに表面化してしまい、衣類がダメになったように見える場合があるのです。お互いにとって良くないことになってしまいますよね。こういう問題がある点は、衣料を製造されるメーカーに対しても言いたいところです」

――では、クリーニングに出す側として、気をつけることは?

吉原氏 「基本的に合皮製品のクリーニングは断られるケースが多いと思います。購入の際、表示タグに『ウレタン加工』と書いてあったら、その衣料はクリーニングには向かないと知っておいた上で、経年劣化が進むまでの期間限定で着るものとして買うほうがいいと思います。もし汚れたら、かたくしぼったタオルで軽くふき、しつこい汚れは中性洗剤を使う、といったケアにとどめておいたほうが、長く着られますよ」

自分自身が持っている衣類の性質を知り、「繰り返しクリーニングに出しながら着続ける衣類」「クリーニングには出さず、"期間限定"感覚で使う衣類」というように使い分けることで、より良いファッション生活を送ることができるみたいです。さて、次回は衣類をよりきれいにするため、クリーニングに出す前にできることについて尋ねます!