シチズン時計はこのほど、都内で「Eco-Drive RING(エコ・ドライブ リング)」の限定発表会を行った。同モデルは2009年のバーゼルワールドでコンセプトモデルのひとつとして発表され、「Eco-Drive DOME(エコ・ドライブ ドーム)」に続いての製品化となる。
これまでのエコ・ドライブ(定期的な電池交換が不要な、シチズン独自の光発電時計)は、ケースの中に受光構造があり、文字板から光を取り込み発電する仕組みだった。新作となる「Eco-Drive RING」では、ケース側面から光を取り込むという斬新な発想が取り入れられている。
この特徴をもとに、デザインもサイドビューを主体としたものに。ケース側面に配置されたリング状のソーラーセルをコインエッジ(硬貨の縁に見られるような溝状の模様)風の装飾で覆い、カーブサファイアガラスで包み込んだ。ケースとバンドをつなぐラグも光を通しやすい形状になった。
文字板には金属を使用し、高品質な表情を創出。6時位置のムーンフェイズでは、鏡面の月を回転する陰で覆うことにより、月の満ち欠けが表示される。インデックスにも特徴があり、側面から眺めるとアラビア数字の「2」「4」「8」「10」が姿を現す構造になっている。
バンド素材にはクロコダイルを採用。原皮から染め上げ、シルバー調のダイヤルカラーにもマッチする、パールコーティングされたブルーグレーのバンドに仕上がった。
限定発表会では、シチズン時計のアートディレクター、杉浦智司氏が「Eco-Drive RING」のプレゼンテーションを行った。
「Discovery」がデザインテーマだったと話す杉浦氏は、「何を発見するのかというと、ひとつは『発想』、2つ目は背景に隠された『世界観』、そして『デザイン』の発見です」と述べた。
杉浦氏によれば、ケース側面から光を取り込む仕組みそのものをデザインにするという斬新さが「発想」の発見であり、ムーンフェイズで表現した光の存在や月の満ち欠けを再認識することで「世界観」を発見し、サイドビューをはじめ、ディテールへのこだわりを知ることで「デザイン」の発見にもつながるという。
「この時計は、『光を吸収し、エネルギーに変換し、時を刻む』というエコ・ドライブの本質を可視化した、まったく新しい試みだと思います。機能とデザインが高次元で融合し、まさに美しさを極めたエコ・ドライブです」と杉浦氏は述べた。
シチズン「Eco-Drive RING」は2012年2月8日より世界限定250個(シリアルナンバー入り)で販売を開始する。価格は39万9,000円。販売にあたり、ホワイトで統一した専用ケースが付くとのこと。