現在公開中の映画『ライオン・キング/ディズニー デジタル 3D』で3D化に携わった日本人CGアーティストのマック鈴木氏からコメントが届いた。

CGアーティストのマック鈴木氏
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最初から3Dのデータを作っていく手法と異なり、二次元のセル画をどうやって3Dにするのか興味があったという鈴木氏は「人間がコンピューターに絵の奥行を教える作業となります。例えるなら、人間の目で観る2Dの『ライオン・キング』のセル画の上に、コンピューターだけに見える、奥行の絵を塗っていくイメージです」と明かし、「映画の場合、1秒間に24コマ使います。『ライオン・キング』は128,160コマだそうです。1コマの中には背景、中間、手前の絵が全て分けて保存してありますので、さらにまた何倍にも膨れ上がるわけです。途中で泣きそうでした(笑)」と苦労も語った。

『ライオン・キング』は、広大なアフリカのサバンナを舞台にしており、そのスケール感が、3Dに向いているという。鈴木氏は、制作上の苦労がありながらも同作の魅力について「オープニングで、ザズーという鳥が飛んでいくシーンです。象やキリンなどたくさん動物が200以上のレイヤー(層)になっていて、ザズーがコマごとに手前から奥のレイヤーに入るため、作業がとても大変でした。このシーンの制作だけで約4週間かかったそうです。それだけに、よくスケール感が出ていてとても楽しいシーンになっています」と語ってくれた。

『ライオン・キング/ディズニー デジタル 3D 』は、3D限定公開中。なお、映画公開に合わせてオンデマンド配信もスタートする。また、ブルーレイ『ライオン・キング ダイヤモンド・コレクション』(3,990円)、DVD『ライオン・キング スペシャル・エディション』(2,940円)、DVD『ライオン・キング ブルーレイ・トリロジーセット』(9,450円)が10月8日に発売。ブルーレイ『ライオン・キング 3Dセット』(4,935円)が11月16日に発売される。