1932年、ロサンゼルスオリンピックの公式計時を担ったオメガが発表した、防水時計の原点「マリーン」は、現在も高い人気を誇るダイバーズウォッチ「シーマスター」へつながっている。1960年には、名作クロノグラフ「スピードマスター・プロフェッショナル」がNASA公式ウォッチに。以来、人類初の月面着陸、アポロ・ソユーズのドッキングから近年のミッションに至るまでをサポートしている。

そして今年。BASELWORLD 2011会場で、オメガの歴史を支える2タイトルの最新モデルが発表された。「シーマスター プラネットオーシャン クロノグラフ」と「スピードマスター・プロフェッショナル アポロ15号 40周年記念限定モデル」だ。

新色(ブルーダイヤル)の「シーマスター・プラネットオーシャン」

「シーマスター プラネットオーシャン クロノグラフ」は、オメガの新定番機種ともいえる3針ダイバーズウォッチ。ケース直径45.5mmのクロノグラフに新色のブルーダイヤルが加わった。イメージカラーのオレンジ色を差し色に残しつつ、彩度を抑えた理性的な深い青のダイヤルは、海の大切さを真摯に訴えるオメガのメッセージが込められた「プラネットオーシャン」に相応しいカラーバリエーションといえるだろう。回転ベゼルにはリキッドメタルを使用し、滑らかな美しさとステンレスの3倍といわれる高い強度を両立している。

ムーブメントは、新開発のクロノグラフ用ムーブメント「コーアクシャル・キャリバー9300」。「スピードマスター」新作にも、同じものが搭載されている。価格は92万4,000円で、10月の発売を予定している。

「スピードマスター・プロフェッショナル アポロ15号 40周年記念限定モデル」

「スピードマスター・プロフェッショナル アポロ15号 40周年記念限定モデル」は、その名の通り、1971年のアポロ15号月着陸から40周年を記念したモデル。アポロ15号は月面探査車「ルナローバー」を初めて携行して月に着陸、初の広範囲な月面探索を可能にしたという点で人類にとって大きな意義があった。本製品が、その偉業と足跡をしっかりと人々の記憶に刻むだろう。

インダイヤルの3色(赤 / 白 / 青)は、クルーが身に付けていたミッションバッジの色がモチーフ。30分積算計やスモールセコンドの外周色も、黒を基調にその3色をあしらっている。価格は54万6,000円で、今夏発売予定。1971年にちなんだ1,971本の世界限定発売となる。

「スピードマスター」の新作にも、新開発のクロノグラフ用ムーブメント「コーアクシャル・キャリバー9300」が搭載される

ベゼルにダイヤをセッティングした「レディマティック」

そのほか、オメガブースでは昨年10月にローンチした女性用ブランド「レディマティック」を強くアピールしていた。ムーブメントに、一からすべて新設計のマニュファクチュールムーブメント「コーアクシャル・キャリバー8520」を使用。ポリッシュ仕上げの34mmケースはやや厚みがありつつも、それがころっとしたラウンドフォルムを醸し出していて非常に可愛い。

ケースは、18Kレッドゴールド、18Kイエローゴールド、またはステンレススチールから選択可能。ゴールドモデルのインナーケースはチタン製、ステンレスモデルにはステンレス製のインナーケースが搭載される。 下地のマテリアルが見えないようにダイヤを敷き詰めたスノーセッティングのベゼルなど、ラグジュアリー感あふれるバリエーションも用意されており、好みに合わせて選べるのも嬉しい。同商品の価格帯は58万8,000円~329万7,000円。

新開発のクロノグラフ用ムーブメント「コーアクシャル・キャリバー9300 / 9301」。ひげぜんまいはシリコン製

ブース内には「レディマティック」専用の展示コーナーも。かなり力が入っていた