アジア時間概況
アジア時間では、韓国軍の砲撃訓練予定を受けて、リスク回避的な展開となっている。
株式市場では、日本市場より中国・韓国市場の方が影響は大きく、クロス円の売りにつながっている。香港HS株価指数においては下降チャネル下限を割り込んでからの次なる下降チャネルを形成中。
そして、為替市場では、ドル円は84円近辺でもみ合っている状態だが、ユーロおよび豪ドルの対ドルに下げによって、クロス円は上値が重たい状態。特にユーロは、金曜日にムーディーズがアイルランド格付けを5段階一挙に引き下げたことが重石となり、対ドルだけではなく、対スイスフラン、対豪ドルでも売りが出ている模様。
その後、韓国軍が予定を延長していた砲撃訓練が開始されたという一報が入ったが、現時点では影響は出ていない。
本日の主要経済指標
・16:00 ドイツ : 11月生産者物価指数
・18:00 ユーロ圏 : 10月経常収支
・22:30 カナダ : 10月卸売売上高
・22:30 米国 : 11月シカゴ連銀全米活動指数
・24:00 ユーロ圏 : 12月消費者信頼感(速報値)
欧米時間の見通し
市場は、クリスマス休暇を控えてリスク回避モードに若干傾きつつあるよう。
米株式先物市場ではマイナス圏になっており、国連安保の話し合いの中、韓国軍が予定延長されていた砲撃訓練を開始した模様。これによりアジア株式市場は軟調地合いに転換。また、対中国貿易が大きいオーストラリア経済への影響から、豪ドルは本邦個人投資家からの買いが対円で出ているという観測があるものの、先週金曜日安値の83.70付近まで下落。
市場においては、ブッシュ減税の延長措置などで、米経済に対する明るい見通しが台頭し始めており、米ドルの他の通貨に対する堅調地合いが当面続くと見ているようだ。財政的な問題はあると思われるが、アメリカに対する格付けの話題が出てこない限り、市場の関心は消費傾向がポジティブになるということであろうか。
欧州時間は、欧州のソブリンリスク・欧州系金融機関の融資額に対する懸念がある中で、上値が重たい展開となる可能性が濃厚。今日はドイツの生産者物価指数が発表されるが、ソブリン債の話題がアイルランド、スペイン、ベルギーにまで拡大しており、政局的に不安があるイタリアにまで波及しかねない状態では、反発力は鈍いと見る。各国債利回りはアイルランド救済が決まった時点よりは上昇しており、さらには、ドイツ国債も10年債で3%台に上昇していることから、不安材料がなくなったとは言いにくい状態。
こういった中、クリスマス週間ということから年末に絡んだ各企業の資金需要の動きが短期金利市場、さらには為替市場で出てきやすい。一般的にこの時期は米ドル需要があるために、米ドルは各通貨に対して堅調に推移しやすい。その場合、ソブリン問題が再度揺れれば一旦は保たれているユーロの200日移動平均線を割り込む可能性が高くなってこよう。1.3100を割り込んだ場合には、11月につけた安値1.2970はもちろん、1.2800までの下落の可能性がでてくる。