【今日のCFD】ウォール街株価指数
昨日のウォール街株価指数は、格付け会社ムーディーズがスペインの信用格付けを下げる可能性を示唆したことでユーロ圏債務問題懸念が再浮上し、リスクテイクに対する市場のアペタイトが減少。また、一連の米国経済指標が市場予想を上回ったことや米上院でいわゆる「ブッシュ減税」の2年延長が可決されたことで米景気回復期待が債券市場で強まり、ロング解消の動きが強まった。これにより米金利への上昇圧力が強まったことで株式市場では終盤に売り圧力が強まり、0.2%下げる展開となった。
昨日の動向も含め最近の値動きを見ると、今夜もウォール街株価指数は米経済指標次第といったところだろう。22:30より3Q経常収支や11月の住宅着工件数、そして週間新規失業保険申請件数等が順次発表される。基本的に市場予想を上回る強い内容だった場合は、ウォール街株価指数にとってはポジティブに影響しよう。ただ、米金利が予想外に上昇した場合は、昨日同様利益確定売りも強まる可能性があるため、この点には引き続き注意しておきたい。
テクニカル的には、目先サポートライン(11450レベル)を維持できるかどうかが焦点となりそうだ。上述した通り米経済指標の結果次第という側面もあるが、強い内容が好感されサポートラインが意識された場合は11500を再び突破するかが焦点となろう。このレベル(11500)を上抜けた場合は、11516(12月14日高値)、11523(12月15日高値)の順でレジスタンスポイントを想定したい。
一方、サポートラインを一気に下抜けた場合は11434(11523-11292の38.20%戻し)が次の下値ターゲットとして市場で意識されるか注目したい。昨日はこのレベルが意識され11523までの上昇を演出した経緯がある。ダブルボトム形成となればサポートラインのブレイクは『だまし』となり、底堅い状況が継続するのではないか。
また、短期では経済指標によって乱高下となる可能性があるが、長期的に見ればウォール街株価指数は上昇基調を維持する可能性がある点にも注目したい。
上記の週足チャートでは、サポートラインを維持しながら節目の1万ドルを突破。高値警戒感から反落しても11000ドルがサポートラインとして意識され今年前半にレジスタンスとして上値を抑えた11244(6466―14197の61.80%戻し)を完全に突破している。
金融引締め観測の強い新興国から先進国への資金シフトも継続すると考えられ、30分足でみたサポートポイントで反転するならば、中期的にはリーマンショック前の高値11867(2008年8月10日高値)長期的には13136(2008年5月18日高値)が上値ターゲットになる可能性もある。