アジア時間概況
週明けのアジア時間は、午前中に放映されたFRBに対するインタビュー内容に若干の注目が集まっていたが、これまでコメントされてきた内容とそれほど違った内容ではなかったことから、売りこまれたドルの買い戻しとなっている。
むしろ、ノワイエ仏中央銀行総裁の『ユーロは少し高め』などのコメントや、大手債券運用会社のPIMCOのCEOがアイルランドを含むいくつかのユーロ圏の国が5年以内にユーロを離脱するだろうとする見解が重石となり、朝方の1.34台からの反落となった。
株式市場では、利益確定の動きで上値が抑えられるも、欧米時間の展開を待つ状態でもみ合い。
一方、中国当局の政策に対する警戒感から、中国H株株価指数は軟調に推移し、米株式先物市場も上値を抑える展開となった。
本日の主要経済指標
・22:30 カナダ : 10月住宅建設許可
・24:00 カナダ : 11月Ivey購買部協会指数
要人発言
・27:00 米国 : ラッカー・リッチモンド連銀総裁、講演
・その他 ユーロ圏財務相会合
欧米時間の見通し
先週の米雇用統計を受けて、不透明要因が新たに加わったことから、ドルとユーロ、欧米株式市場、双方のネガティブ材料合戦の地合いとなっている。その上、新興国の利上げによる影響も加わっていることから、市場のセンチメントは神経質で、リスク回避・利益確定という展開になり易いととれる。
主だった経済指標もない中、今日はユーロ圏財務相会合が開かれる。
先週、英経済紙においていくつかのオプションが掲載されていたが、なかでも欧州金融安定化基金の規模拡大が討議されるのではないかと言われている。現状の規模では、ギリシャ・アイルランド・ポルトガルまではカバーできるものの、スペインまでとなると資金不足になる可能性があるためだろう。
また、その他の話題としては、新たにユーロ共通の債券を発行する可能性があるかどうか。問題の渦中にある欧州諸国としては調達コストが低下するものの(現状より低金利のため)、ドイツにとってはコスト高になることから反対されることは必至と市場ではみている。
このような状況下では、先週のECBの行動を受けて回復したユーロも、アメリカ側からのネガティブな材料が新たに出てこないと、先週の高値はなかなか超えられないか。テクニカル的にも、8月安値からのちょうど50%に当たるため、当面のレジスタンスとして働くとみられる。
日米欧、そして新興国とそれぞれの不安材料があるため、債券又は貴金属市場が資本の流れの代替先となりやすい状況。ただ、今年の高値付近での推移となっており、高値警戒感もある。クリスマス時期ということもあり利益確定の動きも出やすいと思われ、日足ベースでもやや過熱感を帯びている。
その意味では、中国をはじめとする新興国の需要次第という点に注意しておきたい。