【今日のCFD】スポット金
昨日の動向からおさらいすると、取引時間中に発表された10月ADP全国雇用者数(事前予想+2.0万人、結果+4.3万人)やISM非製造業景況指数(事前予想53.5、結果54.3)、9月製造業受注指数(事前予想+1.6%、結果2.1%)等が予想を上回ったことで、期待している程の積極的な緩和策が打ち出されないのではとの警戒感が市場で台頭し、買い方のストップロスを巻き込み、必要以上の急落を演じる場面が見られた。
その後、取引終了後に発表されたFOMC声明文では、2011年2・四半期までに6000億ドル(月間750億ドルのペース)の国債を追加購入する方針が示された。今回のFOMCの焦点は、事前にバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長などが追加的な量的金融緩和を強く示唆する発言を行っていたことで、『追加金融緩和政策実施の有無』そのものよりも、『量的緩和の規模』に注目が集まっていた。
事前予想では、最低でも5000億ドルとの見方が大半だったが、若干上回る6000億ドルの国債購入の方針を示したことで、目先の材料出つくし感から、失望売りを招き、更に下値を試す展開となってもおかしくはなかった。
しかし、今回の政策に対する反対票が前回同様にホーニング総裁の一票にだけだったこともあり、2011年上期までに景気回復とデフレ懸念後退が達成されなければ、量的金融緩和第3段(QE3)以降も期待できるという観測が市場に生まれつつあること、為替市場ではドル売りが主要国通貨で再度強まったこと、特に対ユーロで1月後半以来の安値を更新していることが材料視され、一旦は1320ドル台まで下落していた金相場も、FOMC後は1350ドル水準まで切り返し、アジア時間もこの水準を維持した状況が続いている。
今後の見通しとしては、12月14日に年内最後の米FOMCを控えているが、現状、重要イベントはほぼ出尽くした状態になるため、今後は11月5日に米雇用統計といった経済指標を軸にした相場展開となるのではないか。また、季節要因として11月25日の感謝祭や11月末のファンドの決算、そして年末にかけてカレンダー要因での調整圧力が強まり易い。急激なトレンドの転換までは想定しづらい状況だが、テクニカル的には1320ドル台を目先の底値に、上昇基調のトレンドチャンネルを維持できるかが焦点となりそうだ。21日移動平均線(1351)がサポート要因として意識されるかも気になるところ。上昇基調を維持した場合、ここ4日間のレジスタンスゾーン1360ドル台を第一のターゲットとし、1380ドルを突破するかを見極めたい。仮にその様な展開となれば、1387(10月14日史上最高値)でのダブルトップ形成が次の焦点として浮上する可能性が強まる。
逆に21日移動平均線がレジスタンスとして意識さる可能性を考慮した場合、トレンドチャンネル下限や1320ドルの水準を目先の下値ターゲットか。