JR東日本は24日、12月4日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。東北新幹線の新青森駅延伸に伴い、青森駅を発着する在来線特急列車の時刻を変更し、新青森駅で新幹線に接続。函館、弘前、秋田への到達時間が短縮される。また東京 - 盛岡間の「はやて」を増発する。首都圏では南武線に快速列車を新設するなど輸送改善を行う。

東京 - 新青森を結ぶ「はやて」

特急「つがる」は青森 - 秋田間へ

東北新幹線新青森駅開業、東京 - 盛岡「はやて」増発

東北新幹線は八戸 - 新青森駅間を延伸開業する。東京 - 新青森を結ぶ「はやて」は15往復。ほかに朝の仙台始発・盛岡始発の新青森行きと夜の新青森発仙台行き、盛岡行きを運行する。東京 - 新青森間の所要時間は最短で3時間20分(上り)、3時間23分(下り)となる。従来の八戸乗り継ぎよりも上りで39分、下りで36分が短縮される。開業時はすべてE2系車両の「はやて」による運行で、E5系「はやぶさ」は2011年3月から運行開始予定。

東北新幹線はほかにも東京 - 盛岡間の見直しを実施。東京 - 盛岡間の「はやて」を9本増発する。増発した「はやて」は仙台 - 盛岡間の各駅に停車する。これに伴って、東京 - 盛岡間の「やまびこ」の一部を東京 - 仙台に短縮する。

特急「つがる」は青森 - 秋田間に変更、「かもしか」廃止

青森駅を発着する在来線特急はすべて新青森駅で新幹線に接続する。従来、青森(一部弘前) - 八戸間を運行していた「つがる」は青森 - 秋田間に転身。1日4往復体制となる。これに伴って「いなほ」の秋田 - 青森間は廃止。特急「かもしか」も廃止となる。青森 - 弘前間の特急は事実上減便となるが、同区間は普通列車を増発して対応するという。青森 - 函館間を結ぶ特急「白鳥」「スーパー白鳥」はこれまで通り1日10往復で、青森 - 新青森間を延長する。

さらに、週末など観光多客期を中心に新青森発着のリゾートトレインを新設する。新青森 - 蟹田間は快速「リゾートあすなろ津軽」を1往復、新青森 - 大湊間に快速「リゾートあすなろ下北」を2往復設定する。どちらも全車指定席で、同社が新たに開発したハイブリッドシステム搭載の車両を使用する。五能線を運行する「リゾートしらかみ」も1編成がハイブリッドシステム搭載車両となる。

「リゾートあすなろ津軽」「リゾートあすなろ下北」の運行区間(左)と使用車両(右)

寝台特急については運賃・料金が変更となる。八戸 - 青森間が第三セクターの「青い森鉄道」へ移管されるため。青い森鉄道の運賃・特急料金がほぼ倍増となる一方で、JRの特急料金を安くする特例を設けたため、東京 - 札幌間の運賃・特急料金の合計は1,900円の増額にとどまる。

首都圏の輸送改善、南武線に快速、武蔵野線に大宮発着列車設定

南武線は2011年3月から日中に快速運転を開始する。武蔵小杉駅を10時 - 15時に発着する快速列車を30分置きに運行する。快速列車の停車駅は川崎・鹿島田・武蔵小杉・武蔵中原・武蔵新城・武蔵溝ノ口・登戸。登戸 - 立川間は各駅に停車する。また、一部列車の運転区間を延長するとのこと。

南武線は快速運転を開始

武蔵野線は貨物列車用の短絡線を活用して大宮駅に乗り入れる列車を設定する。中央線八王子(一部府中本町) - 大宮間の「むさしの」は、大宮行きが朝3本、夕方1本。八王子行きが朝1本、夕方2本。これは従来臨時列車として運行していた快速「むさしの」を増発し、定期列車化したとみられる。

京葉線方面と大宮を結ぶ「しもうさ」を新設。西船橋始発の大宮行きは朝夕1本。新習志野始発の大宮行きは夕方に1本。大宮発海浜幕張行きは朝1本。大宮発西船橋行きと新習志野行きは夕方に1本ずつ運行する。武蔵野線の東京直通列車と京葉線から外房線への直通を増やす。

武蔵野線に大宮駅直通列車を設定

なお、首都圏の特急列車の運行を見直すという。対象となる列車は次の通り。「水上」は廃止(臨時化)。「おはようとちぎ」「ホームタウンとちぎ」は廃止。「踊り子」「さざなみ」は減便。「あかぎ」「しおさい」「わかしお」は土休日に減便。「あやめ」は平日に減便。

このほか、横浜線の夜間増発や、京葉線に新型車両E233系を増やすなどの輸送改善を行うとのこと。