名古屋発祥「あんかけスパゲッティ」

東京ではまだ知名度が低いものの、名古屋では定番の「あんかけスパゲッティ」。トマトベースでとろみのあるソースをスパゲッティにかけた名古屋発祥の食べ物である。実はカレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」の別業態「パスタデココ」で、この"名古屋めし"を提供しているのだ。

「パスタデココ」は「カレーハウスCoCo壱番屋」を経営する壱番屋が東海地区を中心に展開。東京には西新橋に店舗を構えている。あんかけスパゲッティの味の決め手となる「あんかけソース」、同店の場合はトマトベースで酸味や甘さが感じられる仕上がりで、スパイスのアクセントも。ナポリタンを思わせるようなどこか懐かしい味わいだ。本場・名古屋の老舗では、かなり濃厚なタイプのソースも多いそうだが、同店のソースはとろみがありつつサラリとしていてライトな味わいとなっている。

オフィス街に立地する「港区西新橋烏森通店」。全15席

同店の「あんかけソース」には、トマトの旨味をいかした基本の「ノーマル」、スパイスを増やした「マイルドスパイシー」、さらに黒胡椒をきかせた「スパイシー」の3種類がある。さらにCoCo壱番屋系らしく、「カレーソース」にも同額で変更できる。ちなみにこの「カレーソース」、CoCo壱番屋の「ポークカレー」をベースにしているのだという。

「カツチーズ」(Mサイズ880円)。「CoCo壱番屋」のカレーソースをベースにしたソースも選べる

あんかけスパゲッティのメニューは、チーズがたっぷりの「とろ~りチーズ」(630円)から、カニクリームコロッケをトッピングしたボリューミーな「カニクリームコロッケ」(700円)、あんかけスパの定番・野菜と赤ソーセージを組み合わせた「ミラカン」(850円)など、630円~980円の価格帯で約40種類。前述の通りさらにソースが選べたり、「目玉焼き」(70円)や「フィッシュフライ」(80円)などトッピングも45種程度あったりと、様々なアレンジがきく。他には、熱々の鉄板の上にとき卵を流してその上にあんかけスパゲッティをのせて提供する「ランチ限定鉄板スパ」(11:00~15:00)もある。こちらは名古屋では定番のスタイルという。ちなみに15時以降は、全てのスパゲッティがプラス100円で「鉄板スパ」に変更できる。

赤ウィンナーと野菜を具材にした「ミラカン」(Mサイズ850円)。たっぷり野菜と、懐かしさを感じさせる赤ウィンナーがスパイスのきいたソースと相性抜群

「なつかしのナポリタン」(Mサイズ800円)。あんかけソースにケチャップを加えて味付けしたナポリタン。鉄板にとき卵を流して焼き、その上にスパゲッティを

あんかけスパゲッティに使用するのは、2.2mmとやや太めの麺。朝や午後のアイドルタイムにまとめて茹でたのち、塩と油で和えて、冷蔵庫で寝かせて締めておく。そしてオーダーごとに100℃のラードに30秒ほどくぐらせた後、炒めて油を飛ばして提供している。様々な工程を経ることで、麺はもっちりとしつつアルデンテのような適度な食感になる。

麺の量(茹で上げ)は約200gから100g刻みで約900gまで展開し、この中から選んでもらう。約300gの「M」が標準価格となっており、各サイズはMサイズ価格から割引、もしくは追加料金が発生する。

10分以内のスピード提供を実現

想像以上のスピードで調理され、あっという間に仕上がっていく

注文ごとに具材を炒めたり、麺を温めたりするにもかかわらず、「10分以内に提供」が鉄則。厨房をのぞいて見ると、無駄のない流れるような動きで調理をしているスタッフの姿が。仕込みやシステムがしっかりと確立され、またスタッフの教育も行き届いているからこそのスピード提供なのだろう。

名古屋では、郊外を中心に30~60席ほどの広い店舗で営業しているが、都内にある「港区西新橋烏森通店」は繁華街に立地する小規模店舗となっている。今後はFC展開にも注力していくとのことだ。味噌カツや小倉トースト、台湾ラーメンなど、様々な個性派メニューを生み出してきた名古屋。あんかけスパゲッティもファンを開拓し、全国区になるよう期待したい。