内閣府は12日、3月の景気動向指数(速報)を発表した。速報によると現在の景気とほぼ一致して動く「一致指数」(2005年=100)は前月比1.1ポイント上昇し、101.1となった。12カ月連続の上昇。「先行指数」は前月比4.4ポイント上昇の102.8、遅行指数は1.2ポイント上昇の85.4となった。基調判断は6カ月連続で「改善を示している」。

景気動向指数は、景気の現状把握や将来予測に資するために作成された総合的な景気指標。景気変動の大きさなどを測定するCI(コンポジット・インデックス)と、景気転換点の判定に用いるDI(ディフュージョン・インデックス)がある。内閣府は2008年4月分よりDI中心からCI中心の公表形態へと移行している。

一致指数をみると、3月は商業販売額(卸売業)が前月比で3.8ポイント上昇したほか、鉱工業生産財出荷指数や所定外労働時間指数(製造業)、大口電力使用量も前月比で1ポイント以上の上昇となった。有効求人倍率も0.02ポイント上昇し、指数の上昇に寄与した。マイナスとなったのは、指数算出の基となる11の指標のうち、投資財出荷指数(除輸送機械)のマイナス1.8ポイントのみ。

景気に先行して動く「先行指数」は13カ月連続の上昇。3月は12の指標すべてが同指数の上昇に寄与。鉱工業生産財在庫率指数(※逆サイクル)が前月比6.5ポイントの低下となったほか、東証株価指数(前年同月比)が前月比で6.3ポイント、新設住宅着工床面積が同6.1ポイント、新規求人数(除学卒)が同5.6ポイントそれぞれ上昇するなどした。

※逆サイクルとは、指数の上昇、下降が景気の動きと逆になることをいう。