WTI原油先物6月限

FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。再びギリシャ問題を背景にしたユーロ売りが強まる中、本日は中国がPPIとCPIを発表した。結果は共に市場予想を上回ったことにより、あらためて同国内のインフレ上昇圧力の強さが確認されたかたちとなり、商品市場では中国当局による金融引き締め懸念が台頭し始めている。

世界第2位のエネルギー消費国である中国の動向は、度々需給拡大もしくは縮小観測へと結びついていたが、今回は上記の経済指標の結果により後者へ傾く展開となっている。

そのことをチャート上で確認すると、81ドルのラインをレジスタンスとし、そこにギリシャ問題への懸念が再燃したことによるユーロ売りに連動するように下落基調を強め、心理的ラインである80.00を下抜ける展開となっている。

為替市場を見てみると、欧州タイム参入後のユーロの動向は、対ドルでは1.27を完全にブレイクし1.2670レベルまでユーロ安が進行すれば、対円では117円割れが焦点として浮上している。

このトレンドが欧米タイムでも継続すると仮定するなら、WTIは既にフィボナッチ61.80%レベルを下抜けつつあるため、78ドルミドル割れを一気に試す可能性が出てくるか注目したいところ。この水準は、先週末の米雇用統計発表後、WTIを根強く下支えした経緯があるため、再び同じ展開となるか注目したいポイントだろう。

一方、オシレーター系を見るとロングサインが点灯し始めている。

こちらを重視するなら、かろうじて下支えされている61.80%レベルで一度反転した後、ユーロの動向を比較しながら、再び売り圧力が強まることを確認するといった手も考えられる。

WTI原油先物6月限 1時間足

WTI原油先物6月限 ストキャスティックス&RSI 1時間足