FXオンラインジャパン ストラテジストの森宗一郎です。今週は、中国などアジア諸国にとっては旧正月の時期。アジア時間の流動性が低下しやすいというリスクがある中で、市場の関心事は、やはりソブリンリスク。そして、新興国に対する投資に関して、ファンド筋が警戒しており、今週の政治的イベントに加え、盛りだくさんの米経済指標でかなり乱高下する地合いに、資金回帰の傾向が強くなるかもしれません。
まずは市場の最大関心事であったギリシャの財政問題に関して。週初めに欧州圏の財務相会合が開かれることから、どの程度さらに踏み込んだ内容になるのかが注目されます。最も、市場ではギリシャ国民がどの程度受け入れるかどうかという点でやや懐疑的で、実際にギリシャ国内においてはかなり抵抗が出てきているようです。
また、ギリシャ側としても一国の問題ではなく、他の南欧諸国なども巻き込んで良い条件を引き出したいのでは? という穿った見方も出ているとか。欧州中央銀行(ECB)としては、財務規律を守る姿勢は堅持したいものの、フランス・ドイツの金融機関の南欧諸国に対する融資額を考慮すると、サポートプランをしっかりと明示しなければ、欧州金融機関に対する懸念が出てくる可能性があります。
そのためか、フランスが国際通貨基金(IMF)を引き合いに出したことから、IMFが動く可能性が出てくるか? という見方もあります。ただ、そうなるとユーロ圏内だけでは解決できないという見方もでき、仮にギリシャだけではなく、話題になっているポルトガル・スペイン、さらには中東欧諸国にまで拡大した場合には、どうなるのか。
週前半は、アメリカ勢も休日のため、欧州時間の当局者のコメント・会合結果を待ってからユーロ・欧州市場に対するスタンスを決めていきましょう(月曜日はロンドンも半ドンモードなので、流動性低下が心配です)。
そして、火曜日からは米経済指標が実質4日間の中で盛りだくさん。
まずは、火曜日のNY連銀製造業指数にはじまり、住宅着工、鉱工業生産に続いて、市場の注目でもある木曜日のフィラデルフィア地区連銀指数、卸売物価指数、と消費動向、労働市場、さらには物価動向をにらんだ動きが毎日発生することになります。また、今週は連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、米連邦準備理事会(FRB)当局者の講演予定も毎日あります。出口戦略・金融規制案、労働市場に対する見方、などFRB内での意見の相違に対する見方次第(声明では一名が利上げに投票としており、議論内容に注目)で、米当局の金融政策の正常化の時期に対する思惑で米資本市場の動き次第では、米ドルの地合いに変化が出てきやすいです。
さらにはリスク回避が加われば、不美人投票ながらもUSDが好感されやすくなり、資源通貨・新興国通貨に対する圧力にも影響が出てくると思われます。
ただ、3~4月において米当局の資産買い入れプログラムが終了することから、1月までの数値が良かったとしても雇用情勢の見通しがかなり強気に転換できなければ、上昇した局面ではロング解消(ショート戦略になるかどうかは……)の動きが出てくるかもしれません。いずれにせよ、米経済指標に関しては、各金融機関・シンクタンクでも予想がかなりばらついており、欧米の時間帯は、かなり荒っぽい展開になると思いますので、市場予想平均とのかい離が大きかった場合には、シートベルトの着用をお忘れなく。
こういった中、先週金曜日に中国人民銀行が準備率を引き上げ、さらにはドバイのCDS価格が急上昇しています。市場ではある程度PBOCの動きを予想していた向きがありますが、他の新興国においても一部バブルを抑える意味で同様の引き締めスタンスを見せる可能性があります。特にファンド筋など投資マネーがかなり流入した国ではその傾向が強く、リスク回避的な動きの影響を受けやすい地合いは継続されそうです。このような国々の金利に対する魅力はあるかもしれませんが、欧米の経済構造に対する問題意識があるものの、新興国の一部には短期資本の流入によって歪められている一面は否めず、資本回帰的な動きが発生した場合には金利差は露のように消し飛んでしまいますので、金利面をあえて強調するような傾向には気をつけたいですね。
市場においては金利面に関しては市場の動きの材料という点では注目しているものの、収益という点では資本市場取引関係者以外は、むしろ付属的にしか見ていません。ある意味、短期志向の絶好のトレーニングの機会ですから、実際の取引でおっくうであれば、デモ取引・シミュレーション(ディーラーもよくやります)で、考えを整理しつつ日々取り組んでみてください。
いずれにせよ、リスク回避に転換しやすい地合いなので、戻りポイントを把握しつつ対処していきましょう。
今週の主なイベント
| 2月15日(月) |
|---|
| (日)2009年10─12月期GDP 速報 |
| (日)12月鉱工業生産確報 |
| (欧)ユーロ圏非公式財務相会合 |
| (休日)中国、台湾、シンガポール、韓国、香港(以上旧正月)、米国(プレジデンツデー) |
| 2月16日(火) |
|---|
| (豪)RBA銀理事会 議事録 公表 |
| (英)1月消費者物価指数 |
| (欧)2月独ZEW景気期待指数 |
| (米)2月NY州連銀製造業業況指数 |
| (米)12月対米証券投資 |
| (米)2月NAHB住宅建設業者指数 |
| (米)ホーニグ・カンザスシティー地区連銀総裁 講演 |
| (米)ロックハート・アトランタ地区連銀総裁 講演 |
| (米)コチャラコタ・ミネアポリス地区連銀総裁講演 |
| (休日)中国、台湾、香港は休場(以上旧正月) |
| 2月17日(水) |
|---|
| (日)日銀金融政策決定会合 |
| (日)12月第3次産業活動指数 |
| (英)1月失業率 |
| (英)2月BOE金融政策委員会 議事録 公表 |
| (欧)12月ユーロ圏貿易収支 |
| (米)MBA住宅ローン・借換え申請指数 |
| (米)1月住宅着工件数 |
| (米)1月輸出入物価 |
| (米)1月鉱工業生産 |
| (米)プロッサー・フィラデルフィア地区連銀総裁 講演米FOMC議事録発表 |
| (休日)中国、台湾は休場(以上旧正月) |
| 2月18日(木) |
|---|
| (日)日銀金融政策決定会合 |
| (日)白川日銀総裁会見 |
| (米)新規失業保険申請件数 |
| (米)1月卸売物価指数 |
| (米)1月景気先行指数 |
| (米)2月フィラデルフィア地区連銀業況指数 |
| (豪)スティーブンスRBA総裁 議会証言 |
| (米)デュークFRB理事 講演 |
| (米)ロックハート・アトランタ地区連銀総裁 講演 |
| (米)ブラード・セントルイス地区連銀総裁 講演 |
| (欧)ECB理事会 (政策金利発表なし) |
| (休日)中国、台湾は休場(以上旧正月) |
| 2月19日(金) |
|---|
| (日)2月日銀金融経済月報 |
| (欧)1月独生産者物価指数 |
| (欧)2月ユーロ圏製造業PMI 速報値 |
| (欧)2月ユーロ圏サービス部門PMI 速報値 |
| (欧)12月ユーロ圏経常収支 |
| (英)1月小売売上高 |
| (米)ダドリー・ニューヨーク連銀総裁 講演 |
| (米)1月実質所得 |
| (米)1月消費者物価指数 |
| (休日)中国、台湾は休場(以上旧正月) |