ある結婚適齢期の草食男子を主人公に、「積極性を身につけるために必要なこと」を10回にわたってご紹介する本企画。何事もマニュアルを読んで頭に叩き込むよりも、目の前の実践例の方が具体的で分かりやすいでしょう。6回目となる今回は、主人公が近くに居合わせたカップルから"男女間の会話術"を盗みます。
監修 : 結婚相談所シャルウィ 代表カウンセラー 伊藤小百合さん
1974年4月生まれ。アメリカ留学後に英会話講師、ホテルのフロント業を経て、人のお世話をする仕事に就きたいという思いが強くなり、2005年5月に結婚カウンセラーの資格を取得。2008年4月には神奈川県横浜市に結婚相談所「シャルウィ」を開設した。全国に1,000支部以上を持つ日本ブライダル連盟加盟。男性と女性の専任カウンセラーがそれぞれおり、お見合いやパーティー、オリジナルのセミナーなど様々な婚活方法で成婚までをプロデュースしている。ホームページは「結婚相談所シャルウィ」。
【Vol.6 】休日はカフェでカップルの会話を"ながら"聞きする
休日とはいえ、特に誰かとの約束はない。僕は外出より自分の部屋が一番好きな"草食男子"だしさ。と、拗ねてはみたものの、今日は週明けに提出する企画書を練るために、近所のカフェへ行くことにした。
ここのカフェは、僕と同じように一人で読書などをするお客ばかりだから、自分の部屋の次に気に入っている。しかし、今日はついてない。隣の席に1組のカップルが座ってきた。付き合い初めのカップルだろうか。二人の幸せムードがこっちにも伝わってくる。しかも、笑いが絶えない二人の会話の内容が気になってしまう。ノートパソコンに向かい、コーヒーをすすって思案するふりをしながら、よくよく聞いて見ると、彼女が一方的に話し、彼氏が飽きもせず真剣に話を聞いている様子。な、なんか"彼氏"っていう立場も大変だな。
■結婚カウンセラーからのアドバイス
ほとんどのカップルの会話は、女性が話し役で、男性は聞き役です。さらに男性はただ話を聞いていればよいものでもなく、時折、「そうなんだぁ~」、「大変だね」、「すごいね」といった、同調や同情、褒めるといった相手へのさりげない言葉掛けが大切。そんな何気ない言葉でも、相手は「自分のことを思ってくれている」と安心しますし、二人の良い関係が築かれていきます。
ただし、いつも聞き役ばかりではなく、自分から会話を切り出すことも必要です。会話が苦手な男性は、常に10個のネタを下準備しておくくらいがいいですよ。女性は、ダイエットやスポーツ、美容、健康、ファッション、旅行、グルメ、習い事、話題のスポット、映画など、特に"自分磨き"に関することに最も興味があるので、常にアンテナを張り巡らせて何にでも興味を持ち、女性と楽しい会話ができるようにしておきましょう。面倒臭いと思ったら、女性との距離はいつまで経っても縮まりませんよ。
結局、企画書に集中できず、開き直ってカップルの会話を研究することにした。カップルが食後のアイスティーに口をつけた頃、会話が一変して緊張感のある雰囲気に-。彼女はうつむき加減に「今の仕事、辞めようかな……」と彼氏へ相談をしているようだ。入社3年目になり、責任のあるポジションも任されるようになってきたが、キャリアアップのために別の職に就きたい、という内容。すると彼氏は、彼女の気持ちを十分に聞いた上で、「今は転職しない方がいい」と言い切った。それに対して、彼女はすっきりとした表情でうなづいた。僕だったら「いいんじゃない」などと、軽く答えていたような気がする……。
■結婚カウンセラーからのアドバイス
女性が最も男性に惹かれるポイントは「男らしさ」でしょう。女性から相談を受けた時は、相手の気持ちを理解した上で、はっきりと意見してあげることがポイントアップにつながります。しかし、消極的な男性に同じ事をするべきと言うのは、いきなり酷な話。まずは会話のキャッチボールが大切なので、今回のカフェでの主人公のように、男女間の会話において自分が克服すべき点を見つけていきましょう。
カフェのように面と向かって会話をすることが多い場所では、相手の気持ちを察知して楽しい時間を過ごせるように努めることも大事です。お互いをよく知る段階においてはどういう会話が盛り上がるのかなど、色々なタイプのカップルの会話に耳を傾けてみて、会話術を盗んでも良いでしょう。電車に乗りながらや、飲食店の行列に並びながらでも、"ながら"聞きをしてみては? 心の中で「自分だったらどう答えるか」と考えて言葉を思い浮かべる練習をしておくと、徐々に会話のキャッチボールも上達していくでしょう。
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