メタボリックシンドロームなどという言葉が広まり始め、お腹周りがたっぷりしている人の肩身は狭くなる一方の今日この頃。デブはただ格好が悪いだけでなく、「自己管理もできないダメな人」というレッテルまで貼られかねない。毎日ビールを飲み、「今回も、特定検診にひっかかっちゃって~」と自慢げに話している場合ではないのだ。

そんな世相を反映してか、最近は男性向けのダイエット本がちょっとしたブームになっている。

ブームの火付け役とも言えるのが、一昨年8月に刊行されて以来、売り上げ50万部を突破した『いつまでもデブと思うなよ』(岡田斗司夫著、735円、新潮社刊)。同書で提案する、食べたものと体重を記録するだけで、辛い思いも苦しい思いもしないで確実に痩せられるというレコーディング・ダイエットは、"まさにダイエット革命!"と注目を集めたので、きっとご存じの方も多いだろう。

著名人男性のダイエット本が続々登場

『貴流 心氣体 相撲の心でつくる、美しい体』

今回は、ここ最近、著名人が書いたことで話題になった男性ダイエット本を紹介したい。力士引退後2年で80キロの減量に成功した貴乃花親方が、自らのダイエット体験を綴った『貴流 心氣体 相撲の心でつくる、美しい体』(貴乃花光司著、1,470円、扶桑社刊)もそんな一冊。今年3月に刊行したばかりだ。副題に「相撲の心でつくる、美しい体」とあるように、この本には相撲の世界で生きてきた貴乃花親方ならではの、ダイエットへの考え方と技術が詰まっている。

親方は、毎日4時に起床後、1時間にもわたってストレッチやジョギングメニューを行うという。普通の男性が、同じメニューをこなすのはかなりハードルが高いと思うが、すべてを真似する必要はないだろう。この本には引き締まった体を手に入れるための食事メニューから、相撲の"四股"を取り入れたエクササイズ、ストレッチの方法まで、誰にでもできるようにイラストを交えてわかりやすく紹介されている。

『高橋克典流↑肉体改造―タダノ体のつくり方』

テレビ番組『特命係長・只野仁』で毎回見事な肉体を披露していた俳優高橋克典も、2008年12月に『高橋克典流↑肉体改造―タダノ体のつくり方』(高橋克典著、1,470円、アメーバブックス刊)を刊行し、話題になった。40代になってから本格的に体づくりを始めたという高橋は、この本の中でワークアウトやボクシングなど、自分がこれまでに出会ってきたトレーニングとダイエット法を詳しく紹介している。

40代を迎えて、俳優としても男としてもいくつもの迷いや葛藤があったという高橋は、肉体を鍛えて改造することで、心もそれに寄り添うように徐々にたくましく鍛えられていったと書の中で告白している。男性としてまだまだ自信を持って生きていきたいという人に希望とヒントを与えてくれる1冊となるだろう。

最後に、これまで数々のダイエット本を上梓し、1,500人以上もの人に減量指導をしてきたというカリスマ管理栄養士による、男性のためのダイエット本を紹介しておこう。その名も『食べて痩せる100のコツ メタボらない!』(伊達友美著、1,575円、マガジンハウス刊)。著者が推奨するのは、たとえば「豚カツ定食は食べる順番を今までと変えて、まずは味噌汁から手をつけよう」とか「居酒屋での酒の肴はこうやって選ぼう」など、誰でも簡単に使える食べ方のコツばかり。欲求を抑えられるかはわからないが、食べることが大好きで、できるなら好きなものを諦めることなく痩せたいという欲張りな人にお勧めだ。