「BASELWORLD 2009」にダイヤモンドや七宝などをあしらった限定モデルを出展したセイコーウォッチの、もうひとつの注目製品が「SBGH001」の品番を持つ「グランドセイコー メカニカル ハイビート 36000」。毎時36,000振動の新開発ムーブメント「キャリバー9S85」を搭載し、同社メカニカルウォッチで最高の精度を持つモデルとなる。5月15日よりグランドセイコーマスターショップにて販売が開始される予定で、価格は577,500円。

ハイビートのムーブメントを搭載したことで同社メカニカルウォッチで最高の性能を持つ製品となった「グランドセイコー メカニカル ハイビート 36000」(品番:SBGH001)

一般にムーブメントの振動数を多くするほど、外乱や傾きの差による日差のばらつきが少なくなるため、特に携帯時の精度を高めるのには有利になる。その一方、ぜんまいのエネルギーを早く使い切ってしまうほか、部品の摩擦が多くなるため、駆動時間や耐久性の面では設計のハードルが高くなる。

同社では、従来動力ぜんまいの素材であったコバルト系合金「SPRON510」の特性をさらに向上させた「SPRON530」を新たに開発し、ぜんまいの形状にも変更を加えることで、従来同等の最大約55時間駆動を実現。また、がんぎ車やアンクルなどの部品は、半導体製造技術などを応用したMEMS技術によって製造されている。部品精度をさらに向上させたほか、潤滑油を保持しやすい構造の部品の製造が可能となり、これによって従来の毎時28,800振動から振動数を向上させた(1秒あたり8振動→10振動)にもかかわらず、これまでと変わらない耐久性を実現した。

さらに200本限定で、特に精度の高い選別品のキャリバー9S85を搭載するモデル「SBGH003」を発売する。通常モデルの平均日差が-3秒~+5秒なのに対し、この限定モデルでは-1秒~+5秒となっているほか、ムーブメントの受け部品にブルースチール製のネジが使われており、文字板も放射状のパターンが施された濃緑色のカラーを採用している。6月6日より同じくグランドセイコーマスターショップにて販売が開始される予定で、価格は630,000円。

選別品のキャリバーを用い、さらに精度を高めた200本限定モデル(品番:SBGH003)