臨床検査機器と体外診断薬のメーカーであるアークレイは、柑橘類であるシイクワシャーの果皮エキスが、内臓脂肪型肥満である人の血中アディポネクチン量を増加させる試験結果を第39回日本動脈硬化学会 総会・学術集会で発表した。発表では、シイクワシャーの果皮エキスが、メタボリックシンドロームや動脈硬化性疾患の予防に有用である可能性が示されている。

アークレイによると、フラボノイド類の一種であるノビレチンを含むシイクワシャー果皮エキスを、内臓脂肪面積が100平方センチメートルである成人男女に8週間投与。シイクワシャー果皮エキスを含まないカプセル食品を服用した被験者群の試験結果と比較したところ、血中のアディポネクチン量が増加する結果を得たという。

アディポネクチンは、インスリン感受性を改善させて抗糖尿病作用を示したり、抗動脈硬化作用を示すことが報告されている物質。同社は「シイクワシャー果皮エキスのどの成分が血中のアディポネクチン量を増加させているかについて、現段階での特定は難しい。ただし、既にマウスを用いた実験では、ノビレチンがアディポネクチン量を増加させることが認められているので、今後さらに人体内におけるノビレチンの作用について検証していく」と話している。