米Highway Safety & Technology(HST)は、運転中の携帯電話使用を自動的に取り締まる新装置「Cellular Detection System」の発表を行った。今秋中にも米国内で試験運用が開始される。
Cellular Detection Systemは、基本的に現場で警察官が臨む以外は取り締まる手段がなかった、運転中の携帯電話使用による道路交通法違反行為の現状を大きく変える可能性を秘めた新システムとして、注目を集めているという。すでに同システム関連の技術は、米特許商標庁(USPTO: United States Patent and Trademark Office)に「METHOD AND SYSTEM FOR AUTOMATED DETECTION OF MOBILE TELEPHONE USAGE BY DRIVERS OF VEHICLES」として特許申請がなされているようだ。
まるで自動速度違反取締装置(通称オービス)のように、道路脇などに設置される同システムは、走行中の自動車から携帯電話の通話信号を感知すると、使用中の携帯電話の通話記録などをレコードすると同時に、GPSレーダーなどにより、実際の違反車の特定を開始。特定車両の運転席に座る、携帯電話で話しながら運転中のドライバーの写真を鮮明に自動撮影して証拠を押さえるとともに、車両後部のナンバープレートも撮影され、違反車の使用者/所有者の検挙に入るという。
同社CEO兼社長のMichael Rosen氏は「運転中の携帯電話使用を禁じる道路交通法の施行を、自動取り締まり可能にする新システムによって大いにサポートし、交通事故の減少につながることを期待している。(通話記録などを入手する新システムが稼動すれば)携帯電話ユーザーのプライバシーが侵害されることにもなりかねないが、運転手・同乗者・周囲のドライバーなどの安全を考えるならば、それもやむを得ない」とコメントしている。
なお、同社は司法機関との協力のもとに、欧州各国でも新システムの導入を進めていく計画を明らかにしている。