「かはく」の愛称で知られる東京・上野の国立科学博物館において17日、「日本館」がリニューアルオープンした。1930年に建てられた国立科学博物館は、建物自体の老朽化や展示スペースの狭さ、導線の複雑さなどの改善がかねてから課題とされ、1993年から再開発計画が進められていた。
今回、かつての本館が日本館としてリニューアルオープンすることで、2004年完成の「地球館」(新館)と合わせて、10年以上に渡って行われた同博物館の改修工事が終了。リニューアルに際しては、同館自体が持つ歴史的建造物としての特徴を残した上で、貴重な標本資料の数々が最新の研究結果とともに紹介されており、日本唯一の国立総合科学系博物館にふさわしい施設に仕上がっている。
新たにオープンした日本館では、文字通り日本をテーマとした総合的な展示が行われ、日本列島の豊かな自然環境を様々な角度から見て取ることができるよう構成された。実物標本資料を重視することで、専門知識がなくても知的興奮を味わえる内容となっており、展示資料数は約2,900点にも及ぶ。
このほかICカード(無料)を使って情報端末の使用履歴が記録できたり、4カ国語に対応した専用の音声ガイド(300円)も貸し出されるなど、リニューアルに合わせたIT化も随所でなされている。入館料は一般が600円で、小・中・高校生は無料。開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)で、金曜日のみ9時~20時(入館は19時30分まで)となっている。休館日は毎週月曜日と年末年始。
これからの行楽シーズンにはうってつけのリニューアルオープン。未見の人も、学生時代に社会見学で訪れたという人も足を運んでみてはいかがだろうか。以下、オープン前日に行われた内覧会での写真を中心に、日本館の見どころを紹介していきたい。
3階
3階は北翼が「日本列島の生い立ち」、南翼が「日本列島の素顔」と題され、おもに海洋生物や地質学に関連した展示物で構成されている。化石や鉱物標本も多く、太古のロマンや海に囲まれた日本列島独自の豊かな生物相をわかりやすく見て取ることができるフロア構成。