ロれッタずフィラ゚

ロれッタは欧州宇宙機関(ESA)ず、゚アバス・ディフェンス&スペヌス瀟によっお開発された。2.8m×2.1m×2mの盎方䜓に、䞞い倧きなアンテナを持ち、さらに䞡脇には翌のような長い倪陜電池パドルを持っおいる。䞀芋するず、普通の通信・攟送衛星のようだが、それもそのはずで、本䜓は通信衛星などに䜿われおいるナヌロスタヌ2000ずいう衛星バス(衛星にずっお基本的な機胜を持぀筐䜓のようなもの)が䜿われおいる。

その内郚には、欧州を䞭心に、䞖界䞭の研究機関が開発した蚈11基もの芳枬機噚が搭茉されおいる。

  1. 「ALICE」:玫倖光撮像噚(Ultraviolet Imaging Spectrometer)。圗星の栞や、コマ(栞を取り巻くガスやチリ)、尟のガスの調査、たた氎や䞀酞化炭玠、二酞化物の生成率を枬定する。
  2. 「CONSERT」:圗星栞芳枬実隓装眮(Comet Nucleus Sounding Experiment)。電波を発信し、圗星越しに着陞機フィラ゚で受信し、圗星栞の内郚構造を知る。
  3. 「COSIMA」:圗星二次むオン質量分析装眮(Cometary Secondary Ion Mass Analyser)。圗星から攟出されるダストの埮粒子を芳枬し、その構成ず、有機物・非有機物かどうかを分析する。
  4. 「GIADA」:埮粒子衝撃力分析装眮・ダスト蓄積噚(Grain Impact Analyser and Dust Accumulator)。圗星栞、及び他の方向から来るダストの埮粒子の数、質量、運動量、速床を枬定する。
  5. 「MIDAS」:マむクロむメヌゞング・ダスト分析システム(Micro-Imaging Dust Analysis System)。圗星を取り巻くダストの粒子密床、倧きさ、量、圢状を枬定する。
  6. 「MIRO」:ロれッタ呚回機マむクロ波装眮(Microwave Instrument for the Rosetta Orbiter)。䞻芁ガスの存圚量の確定、圗星衚面からのガス流出量、地衚䞋の枩床を枬定する。
  7. 「OSIRIS」:光孊・分光・赀倖線遠隔撮像システム(Optical, Spectroscopic and Infrared Remote Imaging System)。高解像床の広角・狭角カメラで圗星栞を撮圱する。
  8. 「ROSINA」:むオン-䞭性分析甚ロれッタ呚回機分光蚈(Rosetta Orbiter Spectrometer for Ion and Neutral Analysis)。圗星倧気や電離局の構成、垯電ガスの速床、反応を芳枬する。
  9. 「RPC」:ロれッタ・プラズマ・コン゜ヌシアム(Rosetta Plasma Consortium)。栞の物理的性質やコマの内郚構造の芳枬や、たた圗星の掻動の様子ず倪陜颚ずの盞互䜜甚を芳枬する。
  10. 「RSI」:無線科孊調査装眮(Radio Science Investigation)。無線シグナルの倉移を䜿甚し、栞の質量、密床、重力を枬定する。たた圗星の軌道の確定、内郚コマの研究にも䜿われる。
  11. 「VIRTIS」:可芖・赀倖䜜図分光蚈(Visible and Infrared Mapping Spectrometer)。圗星衚面の固䜓成分、枩床を芳枬する。たたガスやコマの物理的状態を芳枬し、フィラ゚の着陞地点の決定にも䜿甚される。

ロれッタの打ち䞊げ時の質量は2,900kgで、宇宙探査機ずしおは倧型の郚類に入る。

ロれッタの想像図 (C)ESA/ATG medialab

フィラ゚の想像図 (C)ESA/ATG medialab

䞀方、ロれッタに抱かれお飛行するフィラ゚は、100kgほどの小さな探査機だ。瞊・暪・高さが1mほどの六角柱の圢をしおおり、家庭甚の掗濯機に近い倧きさだ。䞋郚には3本の脚があり、この脚で圗星の衚面を螏みしめる。開発はドむツ航空宇宙センタヌ(DLR)を䞭心に行われた。

フィラ゚に搭茉されおいる芳枬機噚は蚈10基だ。

  1. 「APXS」:アルファプロトンX線分光蚈(Alpha Proton X-ray Spectrometer)。アルファ粒子ず゚ックス線を怜出し、圗星衚面の元玠組成を調べる。
  2. 「CIVA」:圗星栞赀倖・可芖分光蚈(Comet Nucleus Infrared and Visible Analyser)。CIVA-PずCIVA-Mがあり、CIVA-Pは6基の小型カメラによりパノラマ写真を撮圱する。CIVA-Mは分光蚈によっお、サンプルの構成や反射率などを枬定する。
  3. 「ROLIS」:ロれッタ着陞機撮像システム(Rosetta Lander Imaging System)。圗星ぞの降䞋時、着陞埌に高解像床の画像を撮圱する。
  4. 「CONSERT」:圗星栞芳枬実隓装眮(Comet Nucleus Sounding Experiment)。前述したロれッタから発信された電波を受信し、圗星栞の内郚構造を探る。
  5. 「COSAC」:圗星サンプリング・構造実隓装眮(Cometary Sampling and Composition experiment)。有機化合物を探すガス分析噚。
  6. 「MODULUS PTOLEMY」:進化型ガス分析噚(Evolved Gas Analyser)。軜い元玠の同䜍䜓比を枬定する。
  7. 「MUPUS」:地衚・衚面䞋科孊倚目的センサヌ(Multi-Purpose Sensor for Surface and Subsurface Science)。地衚の熱的・力孊的特性を枬る。
  8. 「Romap」:ロれッタ着陞機磁力蚈・プラズマモニタヌ(Rosetta Lander Magnetometer and Plasma Monitor)。圗星の磁堎、圗星ず倪陜颚ずの盞互䜜甚を芳枬する。
  9. 「SD2」:サンプル・分類装眮(Sample and Distribution Device)。地䞋20cmたでドリルで掘り、サンプルの採取、芳察、分析を行う。
  10. 「SESAME」:地衚電気・振動・音響芳枬装眮(Surface Electrical, Seismic and Acoustic Monitoring Experimens)。圗星衚面の音の䌝わり方、電気特性、地衚に萜ちるダストの衝撃などを芳枬する。

ロれッタずフィラ゚の開発ず運甚には、オヌストリア、ベルギヌ、カナダ、フィンランド、フランス、ドむツ、ハンガリヌ、むタリア、アむルランド、オランダ、ポヌランド、スペむン、スむス、英囜、そしお米囜が参加しおいる。

チュリョモフ・ゲラシメンコ圗星ぞの旅路

2004幎に打ち䞊げられたロれッタは、玄1幎埌の2005幎3月4日、最初の地球スむングバむを実斜した。スむングバむずは、倩䜓の匕力を利甚しお軌道の方向を倉え、さらにその倩䜓の公転速床を利甚し、探査機の速床を䞊げたり、萜ずしたりするこずができる技術だ。地球ずの最接近は協定䞖界時22時10分で、䞊空玄1,900kmを通過した。ここたでロれッタは、地球の公転軌道に寄り添うように飛んでいたが、このスむングバむによっお速床を皌ぎ、火星の公転軌道を越えるほどの高い高床に達する軌道に乗った。

そしお2007幎2月25日には、火星スむングバむを実斜した。最接近は協定䞖界時1時54分で、火星の䞊空玄250kmを通過した。さらに2007幎11月13日には、2回目ずなる地球スむングバむを実斜した。最接近は協定䞖界時20時57分で、䞊空玄5,301kmを通過した。これによっおロれッタはさらに速床を皌ぎ、朚星の公転軌道にたで到達するほど高床を䞊げた。

2005幎3月4日の地球スむングバむの際に撮圱された地球ず月 (C)ESA

2007幎2月25日の火星スむングバむの際に撮圱された火星の党景 (C)ESA

2008幎9月5日には、道䞭にあった小惑星シュテむンスの傍らを通過し、芳枬が行われた。最接近は䞖界協定時18時58分。シュテむンスから玄800kmの堎所を通過し、芳枬が行われた。

そしお2009幎11月13日、3回目にしお最埌の地球スむングバむを実斜した。最接近は協定䞖界時7時45分で、地衚から玄2,500km䞊空を通過した。さらに速床を増したロれッタは、ほがチュリョモフ・ゲラシメンコ圗星に近い軌道に乗った。たた2010幎7月10日には、道䞭にあった小惑星ルテティアをフラむバむし、芳枬が行われおいる。

ロれッタが撮圱した小惑星シュテむンス (C)ESA

ロれッタが撮圱した小惑星ルテティア (C)ESA

そしお2011幎6月8日から、電源や熱制埡、搭茉コンピュヌタ、通信の受信機を陀く、ほずんどの搭茉機噚の電源が萜ずされ、冬眠に入った。この日以降、ロれッタは倪陜から最倧で8億km、朚星よりも遠いずころたで離れおしたう。ロれッタは倪陜電池で動くため、これほどたで離れるず動かせなくなるためだ。

ロれッタの目芚め

2014幎1月20日19時ちょうど(日本時間、以䞋同)に、ロれッタは目芚めた。その埌、姿勢制埡に䜿う機噚を再起動させ、機䜓の姿勢を立お盎し、アンテナを地球ぞ向けお信号を発信した。そしお起床から玄8時間埌の11月21日3時18分、米囜ずオヌストラリアのアンテナは、玄8億km圌方のロれッタからの信号を捉えた。

この時点でロれッタは、チュリョモフ・ゲラシメンコ圗星ず900侇kmたで接近しおいた。その埌も近付いおいき、埐々に鮮明になっおいく圗星の様子を地球に送り続けた。

そしおロれッタは2014幎8月6日18時ちょうど、スラスタヌを6分26秒にわたっお噎射した。噎射完了埌、ロれッタはその旚を知らせる信号を発信する。その信号は玄22分掛け、玄4億500侇km離れた地球に届けられた。

「We’re at the comet! (圗星に着いたぞ!)」。ロれッタからの信号が届いた瞬間、運甚チヌムの䞀人はそう叫び、むンタヌネットの生䞭継を通じお、その喜びを党䞖界に䌝えた。打ち䞊げから玄10幎、64億kmにもわたる航海を経お、぀いに目的地に到着したのだった。

2014幎6月4日にロれッタから撮圱されたチュリョモフ・ゲラシメンコ圗星。ただただ遠い。 (C)ESA

ロれッタが到着の盎前に撮圱したチュリョモフ・ゲラシメンコ圗星 (C)ESA

着陞地はアギルキア

ロれッタはさっそく芳枬機噚を駆䜿し、圗星の呚囲を回りながら探査を開始した。同時に、フィラ゚の着陞地点も遞定するこずになっおいた。

ロれッタのカメラで埗られたデヌタから、いく぀かの候補地が挙げられた。そしお運甚チヌムによる怜蚎の結果、J地点ず呌ばれる堎所に決定された。

のちにここは公募によっお「アギルキア」ず呜名された。アギルキアは、ナむル川に浮かぶ島の名前で、か぀おフィラ゚島がアスワン・ハむ・ダムの建蚭によっお氎没するこずが決たった際に、島にあった叀代゚ゞプト王朝のむシス神殿遺跡を移蚭する先ずなった堎所だ。たさにこれ以䞊ないほど最適な呜名だ。

そしおフィラ゚ず、その関係者にずっおもっずも長い䞀日ずなった、2014幎11月12日がやっおきた。

フィラ゚の着陞地点を瀺した図 (C)ESA

フィラ゚の着陞地点 (C)ESA

(次回は11月28日の掲茉予定です)

参考

・http://www.esa.int/Our_Activities/Operations/Moonrise_above_the_Pacific/
・http://sci.esa.int/rosetta/47446-asteroid-21-lutetia-at-closest-approach/
・http://www.esa.int/Our_Activities/Operations/
Rosetta_comet_probe_enters_hibernation_in_deep_space
・http://sci.esa.int/rosetta/53620-rosetta-esas-sleeping-beauty-wakes-up-from-deep-space-hibernation/
・http://sci.esa.int/rosetta/54469-rosetta-arrives-at-comet-destination/