この半導体ニュースのまとめ
・東京応化工業が約120億円を投じた韓国・平澤工場を竣工
・同社グループとして韓国初となる高純度化学薬品の生産拠点を整備
・韓国の半導体メーカーへの供給体制を強化し、2027年上期に稼働開始予定
東京応化工業は9月15日、連結子会社であるTOK尖端材料(TOKAM)が韓国・京畿道平澤市に建設していた平澤工場を竣工したことを発表した。
平澤工場は、韓国における同社グループの2番目の生産拠点となる。第1期として高純度化学薬品の製造棟、倉庫、付帯施設を整備しており、総床面積は約6300m2、投資額は約120億円。2027年上期の稼働開始を予定している。
東京応化工業における韓国初の高純度化学薬品生産拠点
東京応化工業は、韓国におけるフォトレジストの研究開発、製造、販売拠点として、2012年にTOK尖端材料を設立した。同子会社を通じ、韓国の半導体メーカーに対する製品供給と顧客サポートを展開してきた。
新たな平澤工場では、半導体製造工程で使用される高純度化学薬品を生産する。東京応化工業グループにとって、韓国国内で高純度化学薬品を製造する初めての拠点となる。
半導体製造で用いる化学薬品には、金属や有機物、微粒子などの不純物を厳しく管理することが求められる。半導体の微細化が進むほど、わずかな不純物や異物が回路パターンの欠陥や歩留まり低下につながる可能性が高まるため、材料の高純度化と品質の安定性が重要となる。
平澤工場の製造棟には、先端半導体の製造に求められる清浄度を備えたクリーンルームエリアを設置し、高品質な製品を安定して生産できる体制を整えた。
地産地消型の供給体制を強化
東京応化工業は高純度化学薬品について、顧客の半導体製造拠点に近い地域で生産し、供給する「地産地消型」の事業モデルを採用している。
高純度化学薬品は、輸送や保管を含むサプライチェーン全体で品質を管理する必要がある。半導体工場の近隣に製造拠点を配置することで、輸送距離と納期を短縮し、顧客の需要変動や仕様変更にも迅速に対応しやすくなる。
韓国にはメモリやロジック半導体の大規模な製造拠点が集積している。AIサーバ向けHBMをはじめとする高性能メモリや先端半導体の需要拡大を背景に、韓国の半導体メーカーによる生産能力増強と先端プロセスへの投資が進んでいる。
平澤工場の稼働によって韓国国内に高純度化学薬品の生産機能を持つことで、顧客に近い場所から迅速かつ安定的に製品を供給し、半導体市場の拡大を取り込む考えだ。
フォトレジストと高純度化学薬品の供給機能を拡充
TOK尖端材料は、これまでフォトレジストの研究開発・製造・販売を通じ、東京応化工業グループ製品の韓国市場における採用拡大を担ってきた。
平澤工場の完成によって高純度化学薬品の製造機能が加わり、韓国における半導体材料の供給体制を拡充する。顧客との距離を縮めることで、製造プロセスや要求仕様に応じた製品開発、品質対応、供給調整を迅速化する。
先端半導体では、露光工程で使用するフォトレジストだけでなく、現像、洗浄、除去などの各工程で用いる化学薬品にも、より高い純度と品質安定性が求められる。
東京応化工業は、韓国で培ってきた顧客対応やフォトレジスト事業の基盤を活用しながら、高純度化学薬品を含む半導体材料事業の拡大につなげる。
2027年上期に稼働開始予定
平澤工場は、2027年上期の稼働開始を予定している。
今回完成した第1期施設は、高純度化学薬品の製造棟、倉庫、付帯施設で構成される。稼働開始後は、韓国の顧客ニーズに応じて製品を生産し、同国内から供給する体制へ移行する。
東京応化工業は、中期経営計画「tok中期計画2027」において、強固なサプライチェーンの構築を重点施策の1つに掲げている。
平澤工場を韓国の半導体市場へ高純度化学薬品を供給する重要拠点と位置付け、品質、供給安定性、顧客対応力を高める。今後も半導体市場の拡大を見据え、生産基盤の拡充や研究開発基盤の強化に向けた設備投資を検討していくとしている。
