半導体とAIインフラを専門とする調査・分析会社のSemiAnalysisは、AI各社のサブスクリプションの上限を比較した分析を公開した。両社が日常利用向けと位置づける中位モデル、Anthropicの「Opus 5.5」とOpenAIの「GPT 6.1 Sol」では、エージェント的な利用でAnthropicが約5倍の価値を提供するという。

利用上限の見直しで変わるAIサブスクの価値

同調査では、月額料金で使えるトークン量を、APIの従量課金なら何ドルになるかに換算した「API換算価値」で各社のサブスクリプションを比較した。

最上位であるAnthropicの「Fable 5.1」とOpenAIの「GPT-6 Astra」の上限は同程度だが、Fableはプラン上限の50%までしか使えない。OpenAIは先に、200ドルプランのトークン量を半減し、500ドルプランを新設した。

これにより、Pro各プランのドルあたりの価値は横並びとなり、OpenAIの上限は寛大だという従来の評価は当てはまらなくなったとSemiAnalysisは分析している。

背景に高騰する推論コストと収益性の課題

背景には採算がある。SemiAnalysisの試算では、Anthropicの場合、サブスクは売り上げ全体の約10%にとどまる。一方で、AIの推論に使う計算資源の4割超を占めている。少ない売り上げのために多くの計算資源が使われており、収益性を押し下げる要因になっているという。

サブスクはAPI料金より大幅に割安に提供されている。この割安さを縮める方法が両社で異なる。Anthropicは、高性能モデルほど上限を絞る形でAPI換算価値を段階的に下げている。SemiAnalysisの試算では、稼働率100%でOpus 5.5を使い切った場合の粗利益率はマイナス369%だが、Fable 5.1では1%となる。

稼働率を20%と仮定すると、それぞれ6%と80%になる。一方、OpenAIは一気にFable水準の上限へ切り下げた。SemiAnalysisは、各社が上限を無告知で変更できる点にも触れ、調査中にその実例を確認したとしている。