この半導体ニュースのまとめ

・2026年第1四半期の自動車用CID/DICディスプレイ需要は前年同期比2%減、前四半期比15%減
・LCDが需要の98.7%を占める一方、MiniLED LCDやOLEDなど付加価値技術の採用も徐々に拡大
・10~20インチ品の構成比拡大を背景に、LTPS LCDの需要シェアは18.8%まで上昇

2026年第1四半期のCID/DIC需要は前年同期比2%減

CounterPoint Researchの車載ディスプレイ市場調査によると、2026年第1四半期の自動車用CID(センターインフォーメーションディスプレイ)/DIC(デジタルインストルメントクラスタ)の需要は、前年同期比2%減となったという。前四半期比では15%減と大きく落ち込んだとするが、前四半期は季節的な需要が強かったことが背景にあるとする。Counterpointでは根本的な弱さは、自動車市場全体の減速によるもので、特に中国のOEMメーカー、中でもBYDおよびChangan(長安汽車)グループの減速を主な要因としている。

MiniLED LCDとOLEDの採用は限定的ながら徐々に増加傾向

CIDはコックピット中に設置された大型ディスプレイ、DICは従来の針式メーターに代わる車両の速度やエンジン回転数などの計器をパネル上に表示するシステム。これらの技術構成そのものに大きな変化は見られず、液晶ディスプレイ(LCD)が需要全体の98.7%を占めている。残りはMiniLED LCDが0.6%、有機EL(OLED)が0.7%としている。MiniLED やOLEDのような付加価値技術を採用する車種はまだ限定的であるが、ディスプレイをより際立たせる車内デザインの採用の加速を背景に、着実に増加しつつあるという。

大型化で10~20インチ品の構成比が65%に上昇

顕著な変化については、バックプレーン側で生じており、同四半期のLTPS(Low-Temperature Polycrystalline Silicon)の需要シェアは18.8%となり、2024年第1四半期の11%から上昇している。この増加の背景には、ディスプレイサイズの大型化があり、同期間に10インチ未満のセグメントの需要シェアは46%から35%へ縮小した一方、10~20インチのセグメントは54%から65%へと拡大している。ディスプレイサイズの大型化は、高解像度化や画質要件の高度化に直結するためで、10~20インチのセグメント内におけるLTPSのシェアは20%から28%へと上昇している。数量面では短期的な調整局面に入っているものの、ディスプレイの大型化とLTPSへの移行に象徴される製品ミックスの高度化が着実に進んでいるといえる。

  • バックプレーンのタイプ別車載CID/DICディスプレイ需要シェア

    バックプレーンのタイプ別車載CID/DICディスプレイ需要シェア。2024年、2025年、2026年の各第1四半期の比較 (出所:CounterPoint Research Quarterly Automotive Display Tracker)

余剰となったLTPS LCDの生産能力を車載向けにシフト

同社のアソシエイトディレクターであるGuillaume Chansin氏は、「自動車メーカーは、LTPSを採用したLCDパネルを求めている。LTPSは高解像度、スリムなベゼル、低消費電力を実現できるためで、これらのニーズは、コンシューマエレクトロニクスでも広く見られる特徴である。スマートフォンではOLEDが主流となり、IT機器向けでもシェアを拡大していることもあり、LTPS LCDの余剰生産能力が車載向けに振り向けられている」と市場変化の背景を説明している。