この半導体ニュースのまとめ

・ノリタケがダイヤモンド砥粒内包型研磨パッド「LumiDia」を開発
・ダイヤモンドスラリでは困難だったSiCウェハの端面研磨を実現
・水のみで研磨でき、ダイヤモンド砥粒の使用量と産業廃棄物を低減

ノリタケは9月2日、SiCウェハなどの製造における研磨工程で使用するダイヤモンド砥粒内包型研磨パッド「LumiDia」を開発したことを発表した。

有機物と無機物を複合する同社独自の技術を活用し、パッド内部にダイヤモンド砥粒を内包。少量の砥粒でも高い研磨性能を発揮できる構造としたことで、水のみでSiCウェハを研磨できるようにしたという。

  • ダイヤモンド砥粒内包型研磨パッド「LumiDia」

    ダイヤモンド砥粒内包型研磨パッド「LumiDia」(端面研磨用) (出所:ノリタケ)

8インチ化が進むSiCウェハの端面研磨に対応

EVの普及などを背景に、高電圧・大電流を扱えるSiCパワー半導体の採用が拡大している。SiCウェハについても、1枚から取得できるチップ数を増やして生産性を高めるため、6インチから8インチへの大口径化が進んでいる。

大口径化に伴い、歩留まりや信頼性を確保するうえで重要になるのが、ウェハ外周部にあたる端面の加工精度である。端面の表面粗さが大きいと、後工程における欠けや割れ、異物付着のリスクが高まり、デバイスの特性や歩留まりに影響する可能性がある。

SiCは硬く脆い硬脆材料であるうえ、ウェハ端面は曲面形状となっている。従来用いられてきたダイヤモンドスラリは端面に保持されにくく、平面部分と比べて研磨効率が低下するため、安定した端面研磨が課題となっていた。

LumiDiaでは、パッドそのものにダイヤモンド砥粒を内包し、研磨面へ砥粒を継続的に作用させることで、ダイヤモンドスラリでは難しかったSiCウェハの端面研磨を可能とした。端面の欠けや割れ、異物付着を抑制することで、8インチSiCウェハの歩留まり向上と安定供給に貢献する考えだ。

  • LumiDia

    LumiDiaを用いた端面研磨加工のイメージ (出所:ノリタケ)

水だけで研磨し産業廃棄物を低減

一般的なSiCウェハの研磨工程では、ダイヤモンド砥粒を水溶液などに分散させたダイヤモンドスラリを研磨面へ供給する。使用後のスラリは産業廃棄物として処理する必要があるほか、ダイヤモンド砥粒の使用量や安定調達も課題となっている。

LumiDiaは、パッド内部のダイヤモンド砥粒を効率的に作用させるため、新たなダイヤモンドスラリを供給せず、水のみで研磨できる。ダイヤモンド砥粒の使用量を抑えるとともに、使用済みスラリに起因する産業廃棄物と処理負担を低減できるとしている。

研磨材の供給や廃液処理に関連する設備と工程も簡素化できる可能性があり、SiCウェハ製造における環境負荷やランニングコストの低減にもつながることが期待される。

セラミック基板の平面研磨にも展開

ノリタケはLumiDiaを、SiCウェハの端面研磨だけでなく、セラミック基板の平面研磨にも展開する計画である。

セラミック基板の研磨に用いた場合も、ダイヤモンド砥粒の使用量を削減できるほか、研磨パッドの長寿命化が可能になるという。

ノリタケは、食器製造で培ってきたセラミックス技術を基盤に、研削・研磨工具や電子ペースト、セラミック部材、製造装置などを展開しており、LumiDiaについても、独自の有機・無機複合技術と研磨技術を生かし、SiCウェハの大口径化やセラミック基板の高精度化に対応する半導体向け研磨材料として用途を広げていくとしている。