この半導体ニュースのまとめ

・「TECHNO-FRONTIER 2026」にインフィニオンが出展
・300mm GaNウェハやGaNパワーデバイスを活用したモータ制御のデモを公開
・ヒューマノイドロボットに向けた各種ソリューションも紹介

2026年7月15日から17日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「TECHNO-FRONTIER 2026」。その構成展の1つである「第41回 電源システム展」において、Infineon Technologiesの日本法人であるインフィニオン テクノロジーズジャパンは「GaN」、「エッジAI」、「パワーAI」、「ロボティクス」という構成で自社ソリューションの紹介を行っている。

GaN+PSOCで高性能モータコントロールを実現

次世代パワー半導体としてSiCとならび活用が進むGaN。同社は2024年に300mm GaNウェハを発表。同社ブースでは、この300mm GaNウェハを実際に間近で見ることができる。

  • 300mm GaNウェハ

    Infineonの300mm GaNウェハ

また、そうした同社のGaNパワーデバイス「CoolGaN」の中でもゲートドライバ、ブートストラップダイオード、Current sense機能などを1パッケージ統合した「CoolGaN Drive」と、SiC/GaN対応のモータと電力制御に特化したマイコンファミリ「PSOC Control」を組み合わせたソリューションのデモも行われていた。

同デモの具体的な構成は、ドライバ内蔵型GaNハーフブリッジパワーステージ(IPS)IC「IGI65L2727C2MS」とモータ制御用の「PSOC Control C3M5」シリーズの「PSC3M5FDS2AFQ1」を組み合わせたもの。CoolGaN Driveに内蔵されたCurrent sense機能を用いることで、インバータ回路からシャント抵抗を外すことが可能となり、小型化することができる点と、Protection機能によるシステムの高信頼化を図ることができる点が特徴となるという。

  • GaN搭載基板

    緑がGaN搭載基板、そこに縦に挿さっているのがPSOC Control C3M5搭載基板

ちなみにデモはプラスチックケースに覆われた形で見ることができる。これは、入力電圧が100Vと人体に安全とされる電圧値を越えた状態で動作させているため。それだけの電圧がかかってもヒートシンク不要で動作できるということでもある。

ヒューマノイドロボットに向けたさまざまなソリューションを公開

このほか、同社ブースではロボティクスとして、ヒューマノイドロボットに向けた3D ToFセンシングやロボットアームのデモなども見ることができる。

3D ToFセンサは文字通り、ロボットの目の役割を期待したデモで、人間の顔を模した双眼のロボットの片側の目に3D ToFセンサを、もう片側の目に光学イメージセンサを配置し、それぞれの撮像結果をモニターに写す形で、その性能を見ることができるようになっていた。

  • ロボットヘッドにToFセンサを搭載したデモ

    ロボットヘッドにToFセンサを搭載したデモ。ロボット正面の状況をToFを使って認識するといったことをイメージしたものとなっている

デモに用いられていたToFセンサは「IRS2976C」。解像度はVGA(640×480)でセンサ性能としては10m以上の測定範囲を有しているが、同社自身はモジュール化をしていないため、実際の測定性能はモジュールベンダによる素子の構成次第だという。

一方のロボットアームは、CoolGaN Driveと磁気式コアレス電流センサ、磁気式角度センサ、PSOC Control C3Mを組み合わせたデモ。肘から先を動かす48VのFOC(フィールド指向制御/ベクトル制御)モータ部に各種デバイスを搭載したモータサイズの円形基板を搭載。GaNの活用による冷却要求の低減によるファンレス、ヒートレスシンクでの制御を実現できるほか、GaNの特徴である高スイッチング周波数により、モータの鉄損と温度を低減でき、システムとしての効率も向上できるというものとなっていた。これにより、モータハウジング内への容易な組み込みが可能となり、放射EMI抑制や配線の削減ができるようになるとしていた。

  • ロボットアームの肘関節にあるモータ制御のデモの様子

    ロボットアームの肘関節にあるモータ制御のデモの様子。この円形基板上にCoolGaN Drive、磁気式コアレス電流センサ、磁気式角度センサ、PSOC Control C3Mなどが搭載されている