三菱電機は、需要が急拡大しているデータセンター用冷却機器システム事業の拡大に向け、米国で消費地生産体制を構築すると7月30日に発表。オハイオ州に新会社を設立し、約3,000万ドル(約48.2億円)の設備投資を行って、同州にある自動車部品の製造拠点の一部を改修、2027年4月の製造開始をめざす。
米国の持株会社である三菱電機USホールディングス(Mitsubishi Electric US Holdings:MEUH)の傘下に、データセンター向け冷却機器を製造する新会社「MEHITS US」(メヒッツ ユーエス)を、2026年8月に米国オハイオ州で設立。
MEHITS USは、自動車用電装品の製造・販売会社である三菱電機オートモーティブ・アメリカ(Mitsubishi Electric Automotive America:MEAA)がもつ、オハイオ州メイスンの製造拠点の一部を改修・転用し、2027年4月の製造開始をめざす。
これにより、世界最大の市場である米国において消費地生産体制を構築するとともに、データセンター向け冷却機器のシステム設計提案から、販売、保守までを一貫して提供するワンストップサービス体制を強化。三菱電機のデータセンター向け冷却システム事業の拡大をめざすとしている。
背景には、世界的なデータセンターの建設増加に伴って冷却システムの需要拡大がある。なかでもAIデータセンターにおいては、サーバー内のチップを効率的に冷却する液体冷却システムに対する需要が急拡大しているという。
今回の新会社設立により、米国での事業基盤を強化するとともに、消費地生産による生産から販売までのリードタイム短縮による競争力強化を図る。また、安定的な製品供給と、省エネ・高効率など現地の顧客ニーズにもとづいた製品開発に加え、液体冷却対応機器を含む製品ラインアップを拡充。システム設計提案や保守体制を充実させ、ワンストップサービス体制の強化により、米国における当社データセンター向け冷却システム事業の拡大をめざす。
なお、現在の米国における三菱電機のデータセンター向け事業は、三菱電機パワー・プロダクツ(Mitsubishi Electric Power Products:MEPPI)が主導し、UPS(無停電電源装置)をはじめとする電源供給設備の顧客に対して、冷却機器と組み合わせて提供しているとのこと。これらの冷却機器は、イタリアに本社を置く三菱電機ハイドロニクス&アイティークーリングシステムズ(Mitsubishi Electric Hydronics & IT Cooling Systems:MEHITS)が開発・製造を行ってきたという。
三菱電機は米国をはじめとするさまざまな国や地域において、現地企業との協業や買収によってデータセンター向け冷却システムのワンストップサービス体制を強化している。今後もデータセンター向け冷却システム事業のグローバルでの拡大を推し進め、電源供給設備などのコンポーネントと組み合わせるといった全社横断的な事業連携によって、データセンター向けトータルソリューションの提供をめざす。
