FPGA上のソフトプロセッサで950MHz超の動作を実現
アルテラは、自社のFPGA「Agilex 7」に実装した高負荷な32ビットSIMTソフトプロセッサが950MHz超で動作することを確認した研究成果をarXivにて公開した。
今回の研究で用いられたSIMT(Single Instruction, Multiple Threads)ソフトプロセッサは、GPUの並列処理アーキテクチャ(SIMT)をFPGAのプログラマブルロジック上に実装したもの。同社はarXivでの説明において、ソフトGPGPUという表現を用いている。
HyperFlexをベースに高速DSP/インターコネクトで高速化を実現
Agilex 7で1GHz近い動作周波数を実現できた技術背景として同社では「HyperFlexアーキテクチャ」の存在を挙げる。HyperFlexは、Stratix 10で初めて採用されたアーキテクチャで、配線ファブリック全体に専用のHyperレジスタを追加し、設計者は追加のパイプラインリソースにより、コア機能に必要なロジックレジスタを消費することなく、開発ツールであるQuartusからクリティカルパスのリタイミングを行うことを可能とする技術。また、利用可能なファブリックリソースへの影響も最小限に抑えられるため、動作周波数を高めやすくでき、性能の向上とロジックの節約の両立を可能にするという。
さらにAgilex 7では、最適化されたファブリックに加え、高速DSPブロックと高速インターコネクトを組み合わせており、これらの機能により、従来はFPGAのソフトロジックでは困難とされていた周波数帯で、複雑な計算構造を動作させることが可能になったという。さらに同社では、重要なのは、この性能が単一のブロックに限定されておらず、スケーラビリティが求められる設計や、メモリ統合、さらにはより広範なシステム機能を支える設計においても、同様に維持することができる点にあることを強調している。
このほか、Quartus Prime Proの進化も重要な要素となっていると同社では説明している。具体的には、Hyperflexを理解し最適化するよう設計されているため、高度な合成、配置、配線、およびタイミング最適化を通じてクリティカルパスを改善し、厳しいクロック目標の達成を支援でき、アーキテクチャとソフトウェアの緊密な連携を図ることで、デバイスの潜在能力を実際の設計性能へと転換することを可能としているとする。
なお、アルテラでは、ファブリック周波数が高まることで、より高速なパイプライン、高密度なアクセラレーション、そして単一デバイスからより高い性能を引き出すことが可能になるため、計算集約型、低レイテンシ、あるいはスループット重視のアプリケーションを構築する顧客にとって、実用的な意味を持つ成果だとしている。