宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」で発生していた姿勢異常の問題について、姿勢の立て直しが完了し、小惑星「トリフネ」に向けた2025年最初のイオンエンジン運用を開始したと発表した。

  • 「はやぶさ2」の実物大模型。「2024国際航空宇宙展」にて編集部撮影

はやぶさ2公式Xアカウント(@haya2_jaxa )を通じて、5月27日に報告したもの。同アカウントでは、はやぶさ2が何らかの異常を検知し、安全に最低限の運用を継続するための制御モード「セーフホールドモード」に移行していたことを4月2日に報告。その後5月9日の続報で「姿勢制御に用いる装置の一部停止」が異常の原因だったことを明らかにし、5月中に姿勢を立て直してイオンエンジンの運用も開始予定と説明していた

はやぶさ2は、2019年に小惑星「リュウグウ」から採取したサンプルを2020年に地球へ持ち帰った後、拡張ミッションへ移行。現在も航行中で、2026年7月には小惑星2001 CC21「トリフネ」(Torifune)のフライバイ探査を行うことが決まっている。