三菱電機は、シリコン技術を用いた宇宙向け太陽電池セルを開発・製造する米スタートアップ企業・Solestial(ソレスティアル)への出資を5月22日に発表。この技術や製品を活用し、宇宙事業の競争力を強化するとしている。
同社とグローバル・ブレインと共同運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「MEイノベーションファンド」が出資する第10号案件として決まったもの。
人工衛星の小型化、低価格化が近年進んでおり、多数の衛星を同じ軌道上に配置して一体的に運用する“低軌道コンステレーション構築”が急速に拡大している。打ち上げ数の急激な増加に伴って今後、人工衛星のキーパーツである太陽電池セルの供給が追いつかなくなることが懸念されている。
Solestialは、シリコンヘテロ接合技術(物性の異なる半導体材料を接合して太陽電池を製造する技術)を用いた宇宙向け太陽電池セルを開発・製造しており、同製品は、従来品と比べて高い放射線耐性を持つ他、低価格、短納期、軽量といったさまざまな強みが期待できるとのこと。
三菱電機は今後、Solestialへの出資を通じて、Solestialの競争力の高い太陽電池セルを活用し、宇宙事業の競争力強化をめざすとしている。
Solestial CEO Margo de Naray氏のコメント
三菱電機からの出資を通じ、パートナーとなれることを大変嬉しく思います。当社の技術は、将来の宇宙産業にとって非常に意味のあるものであり、三菱電機とのパートナーシップを通じてさらに技術開発を加速させていきます。
三菱電機 上席執行役員(ビジネスイノベーション本部長) 松原公実氏のコメント
Solestialの革新的なシリコン技術には大きな可能性があると考えており、Solesitalへの出資および協業を通じて関係を強化し、当社の宇宙事業における競争力を高めることができると確信しています。今後、両社のシナジーを最大限に引き出し、宇宙産業の発展に貢献してまいります。