JALグループがispaceのミッション3向けペイロード輸送サービスを開始
日本航空(JAL)グループの総合商社であるJALUXは5月26日、ispaceとispaceが2028年に予定している月面着陸ミッション「ミッション3」におけるペイロード(荷物)輸送サービス契約を締結したことを発表。併せてJALとJALUXとして、一般企業や自治体向けにペイロード輸送サービス「ARGO PROJECT」の提供を開始したことも発表した。
JALグループのJAL、JAULX、JALエンジニアリングの3社は2025年11月、ispaceと月面輸送および運航分野での協業検討を目的とした覚書を締結しており、今回の輸送サービス契約はその事業展開の第一歩という位置づけとなる。
月に人類の貴重な文化を保管、未来に向けた保護・継承に挑む
ARGO PROJECTは、ギリシア神話に登場する船大工アルゴスが建造した巨大な船「アルゴー号(アルゴー船)」を基にしたプトレマイオス星座(トレミー星座)の1つ「アルゴ座」をモチーフに、「次世代へ受け継ぐ方舟(Ark Relaying for Generations Onward)」という想いを込めて名付けられたもの。人類の活動圏が月面へと広がる未来を見据え、時代とともに失われゆく貴重な文化や人々の営みを後世へ継承することを目指す取り組みだとしており、気候変動や大規模災害、紛争などによる文化の消失リスクに対して、地球環境の影響を受けない月面にて、未来の人類に向けて、文化の保護・継承を図っていくという。
搭載品は地域の特産品や製品などを想定
企画主体はJALとJALUXで、その中でJALUXは専用の月面輸送ボックス「Möbius Ark(メビウス・アーク)/メビウスの方舟」の開発と搭載品の募集を担当。一方のJALは全国の地域や企業と連携し、地域の特産品や企業を代表する製品など、現代の文化を反映した品々を募集する役割を担うという。そうして集められたさまざまな搭載品を格納した輸送ボックスをispaceが月面輸送を行い、月表面への着陸を担うとする。
輸送ボックスは月面環境に耐えられる素材で作られ、大きさは約20cm×20cm×10cm。内部は区画分けされ、複数の品を搭載することができる。また、月面到着後は、月面に設置された輸送ボックスの撮影も予定しているという。
なお、プロジェクトは4つのフェーズに分けられており、フェーズ1が今回開始された「ボックス開発・搭載品募集」で、フェーズ2が「ロケットによる打ち上げ・地球軌道から月への輸送」、フェーズ3が「月面への茶区立と輸送ボックスの月面への設置」、そしてフェーズ4が「月面人類への文化継承に向けた輸送ボックスの長期保管」としている。
70年以上にわたる航空輸送の歴史を有するJALグループとしても、月への新たな輸送網の創造は初の挑戦となることもあり、パートナー企業や自治体などとともに、未来へ文化を継承するミッションを通して宇宙輸送がより身近になる社会の実現を目指していきたいとしている。



