128MB DRAMを1チップに搭載した64ビットMPUが登場
ルネサス エレクトロニクスは5月19日、高性能HMI(Human Machine Interface)を実現するリアルタイムOS(RTOS)ベースの64ビットマイクロプロセッサ(MPU)「RZ/Aシリーズ」として、128MB DDR3L SDRAM内蔵の「RZ/A3M」を発表した。
同製品は、CPUは従来製品(RZ/A3UL)と同様のArm Cortex-A55コア(最大動作周波数1GHz)と128KBのオンチップSRAMを要塞しつつ、画像データなどの格納用途ととして128MB SRAMをSiPで1チップに集積。これによりチップ外のメモリとのやり取りを行うための高速インタフェース設計が不要となり、プリント基板上の配線数の削減なども併せて、HMI設計の容易化と開発期間の短縮を可能にするという。
また、 1280×800(WXGA)、30fpsまでの解像度をサポートするLCDコントローラ、パラレルRGBおよびMIPI-DSI(4レーン)インタフェース、2D描画エンジンなどのグラフィックス機能を搭載。滑らかなビデオ/アニメーションが表示可能なため、家電や産業、OA機器、医療端末やビルディングオートメ―ション機器に、高品位なリアルタイムグラフィックスやカメラ映像を表示することができるともしている。
2層プリント基板での設計にも対応可能
さらに、設計の容易化も含め、244ピンLFBGAパッケージ(17mm×17mm、0.8mmピッチ)の信号端子を主に外側2列に配置することで、設計が容易で安価な2層(両面)プリント基板での設計・製造を可能としつつ、外部フラッシュメモリをNAND/NORの両方に対応させているため、用途に応じたコスト対応を図ることも可能だという。
なお、同製品はすでに量産を開始済みで、基本ソフトウェアパッケージ(FSP)、評価キット、開発ツール、サンプルソフトウェアなどを含む包括的なHMI開発環境の提供が行われているほか、HMIグラフィックスに向けては、LVGL、Crank、SquareLine Studio、Envoxなどのパートナ企業のGUIソリューションも順次、同製品で利用できるようになる予定だともしている。