STMicroelectronicsは12月11日(欧州時間)、Qualcomm Technologiesとの戦略的協力に基づく初めて製品としてSTM32対応ワイヤレスIoTモジュール「ST67W611M」を発表した。

同モジュールは、産業用およびコンシューマ用IoT機器向けの次世代ワイヤレスソリューションの開発を簡略化することを目指した製品。Wi-Fi 6/Bluetooth 5.3/Threadに対応するマルチプロトコル・コネクティビティSoC「Qualcomm QCC743」を搭載し、あらゆるSTM32マイコンまたはマイクロプロセッサ(MPU)と簡単に統合でき、Wi-Fi経由のMatterプロトコルをサポートし、将来性のある接続性を実現することで、STM32ポートフォリオをMatterエコシステムにシームレスにアクセスできるようにするものとなる。コードおよびデータ格納用の4MB Flashと40MHz水晶振動子も内蔵しているほか、内蔵PCBアンテナ、または外部アンテナ用マイクロRF(uFL)コネクタも搭載しているため、システム統合を容易化できるとする。

また、ハードウェア暗号化アクセラレータによる組み込み向け先進的ハードウェアセキュリティと、セキュアブートおよびセキュアデバッグなどのサービスにより、PSA Certifiedレベル1の保護を実現。さらに自律型で、必須の仕様に基づいて認証を取得済みであるため、RF設計の専門知識がなくても有効なソリューションを構築できるという。

なお、同モジュールは高集積の32ピンLGAパッケージですでにサンプル出荷中で、低コストの2層基板を使用したシンプルな設計が可能だとする。機器メーカーへの提供は2025年第1四半期を、一般向け提供は2025年第2四半期を予定。対応するマイコンは、コスト/消費電力重視のArm Cortex-M0+コア搭載製品から、STM32MP1/2 MPUにCortex-M4やCortex-A7などの高性能コアを搭載した製品まで多岐にわたるとしている。

  • STM32対応ワイヤレスIoTモジュール「ST67W611M」

    STM32対応ワイヤレスIoTモジュール「ST67W611M」 (提供:STMicroelectronics)