NVIDIAが台湾に「AI研究開発センター」を設置する計画であることを、台湾政府経済部(日本の経済産業省に相当)産業技術局の邱求慧局 局長が台湾メディアに出演し、これまでの交渉の経緯などを説明した。

それによると、邱局長は、台湾におけるNVIDIAのAI研究開発拠点設置に向けて、台湾政府経済部の王美花部長が中心となり、台湾経済界の幹部を率いてNVIDIA本社を訪問してから1年以上の時間がかかったが、多くの困難や障害を乗り越え、ようやく決定に至ったと説明したという。

今回のNVIDIAの決定は、同社の創業者で台湾出身のジェンスン・フアン(黃仁勳)氏個人の台湾に対する特別な思い入れだけでなく、ハードウェアやインフラ、人材などさまざまな要素が台湾に揃っている点が評価されたことによるもので、台湾政府の要請というよりも、NVIDIA側が判断した結果であるとしている。

NVIDIAの台湾進出計画は2021年より水面下で進められてきたが、台湾経済部産業技術局が承認した同社のAI研究開発センター設置計画の総投資額は約243億NTドル(約1200億円)で、そのうち経済部として67億NTドルを補助金として支給するとしている。これにより、1000人の雇用が創出されるほか、NVIDIAは台湾域内の大学と協力して人材育成も推進していくという。

邱局長は、NVIDIAが台湾に研究開発センターを設立することで、国際的かつ台湾の安全保障が強化されるだけでなく、台湾が国際的な大企業と利益共同体を形成している姿を見せることは、外資系企業の台湾への投資をさらに促すことになると述べ、すでに半導体製造装置大手のApplied Materials(AMAT)やLam Research、ASMLなども台湾での拠点を構築していることを強調したという。

なお、台湾の地政学的リスクに対する台湾域外からの懸念について邱氏は、「外資系企業は台湾への投資にリスクを恐れず勇気をもって実行しており、心配はしていないようだ。多額の費用を投じている彼らから台湾への信頼が見て取れる。台湾に住む我々は自信を持つべきである」と自身の考えを示している。