ソニー銀行は4月8日、Polygon LabsおよびSettleMintとPolygon PoS上でステーブルコインの発行を目指し実証実験の検討を開始したことを発表した。実証実験では、ソニー銀行がステーブルコインの発行に向けた法的整理や要件定義を実施し、ブロックチェーンにはPolygon PoSを採用。ブロックチェーン関連の開発実績を持つSettleMintが実証実験の基盤の開発と構築を担当する。
Polygon Labsについて
Polygon Labsはソフトウェア開発会社で、Polygonプロトコル開発を通じてスケーラブルで低手数料、安全かつ持続可能なブロックチェーンインフラを手掛けている。開発者が主要なスケーリングソリューションに簡単にアクセスできるように、レイヤー2(zkロールアップ)、サイドチェーン、アプリ専用チェーン、データ利用可能プロトコルなどのプロトコルを開発している。
SettleMintについて
SettleMintは企業や官公庁のブロックチェーンを活用したシステムの開発において実績を持つベルギー発のスタートアップ企業。同社のBlockchain Transformation Platformはブロックチェーン開発に必要なツールをワンストップで提供し、開発の複雑さを削減しながら高速なテクノロジーの実装を支援する。
連係の目的
この実証実験により、ソニー銀行はステーブルコインの発行、償還、流通による技術的または法的な課題点を抽出する。さらに、今後のステーブルコインの普及、およびWeb3時代におけるクリエイターとファン層で構成される経済圏での利活用の拡大に向けた検討にも取り組む。
加えて、本人確認などの観点でゼロ知識証明技術の活用も視野に入れているという。銀行自身のリスクベース・アプローチの帰結として、不正な資金利用への対策を取りつつ、安心安全で利便性の高いステーブルコインの発行と流通市場の拡大を目指す。
今後について
ソニー銀行は2024年夏に、Web3におけるクリエイター・ファン層で構成される経済圏の拡大に向けて、「Sony Bank CONNECT(ソニーバンク・コネクト)」をリリースする。同サービスは現在ブロックチェーンを基盤としたウォレット機能のリリースに向けた要件定義や設計を進めている。今回の実証実験が対象とするステーブルコインについても「Sony Bank CONNECT」との連携を見据えた検討を開始するとのことだ。