リコーとユアサ商事は、非接触で繰り返し書き換えが可能な「RICOH Rewritable Laser System L3000/C3000」を搭載し、ユアサ商事が開発した自動化ラインが、埼玉県の惣菜工場に導入されたことを発表した。

  • リコーのリライタブルレーザシステムを搭載したユアサ商事の自動化ライン

    リコーのリライタブルレーザシステムを搭載したユアサ商事の自動化ライン(出所:リコー)

従来、プラスチックコンテナなどの通い箱を利用する際に、送付先や配送要件が印字された紙のラベルを張り替える必要があった。こうした作業には人手がかかり、自動洗浄機などを導入しても剥がし残りや汚れを切り取るのに時間がかかるため、多くのコストを要していたという。

  • 従来のラインで使用されていた紙ラベル

    従来のラインで使用されていた紙ラベル(出所:リコー)

これらの課題に対し両社は、RICOH Rewritable Laser System L3000/C3000、コンベア、電気制御などを含めたシステム化・自動化ラインを共同で開発したとする。

リコーが開発したリライタブルレーザシステムは、非接触で約1000回のラベル書き換えが可能な同社独自技術を用いたシステムで、ラベルを対象物に貼り付けたまま高速での印字や消去が可能。配送センターや生産工場の現場で要求されるタクトタイム短縮に貢献するという。

加えて、同システム専用のリライタブルレーザラベルは、レーザ印字方式の特徴を活かした層構成にすることで、上層に厚いUV・酸素遮断層を形成し、印字表示を劣化させる紫外線と酸素を遮断するとのこと。これにより、直射日光や酸化による劣化を防ぎ、屋外環境での長時間使用にも適用できるとしている。

  • リコーリライタブルレーザシステムで使用されるラベル

    リコーリライタブルレーザシステムで使用されるラベル(出所:リコー)

2社による新システムは今回、関東1都6県で120店舗以上を展開するスーパーマーケットチェーンが埼玉県に持つ惣菜工場の米飯ラインに導入された。導入効果としては、従来人手に依存していたラベル剥がし工程の自動化により、年間あたり約15万箱分のラベル貼り替え作業および紙ごみの削減、さらに3分の1の省人化を実現したとする。コスト面では、紙ラベルのコストである年間約50万円を含む年間約850万円のコストダウンにつながったとしており、資源消費の削減にもつながったという。

また副次的な効果として、ラベル剥がし作業自体が削減されたことで、同作業に伴う容器汚れの除去や、ラベル脱落および紙粉による異物混入リスクも低減されたといい、厳格な衛生管理が求められる現場でのメリットがあるとのことだ。

なお、今回導入が発表されたシステムについては、2023年6月6日から9日まで東京ビッグサイトで開催されている「FOOMA JAPAN 2023」の、M&E×ユアサ商事共同出展ブースにて展示されている。