京都大学と日本アIBMは4月18日、京都大学の医学研究科および医学部附属病院などにおけるデータ活用を促進するための医療データ&AIプラットフォームをGoogle Cloud上に構築したと明らかにした。今回の取り組みは、2021年1月に京都大学が発表したグーグル・クラウド・ジャパンとのDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する協定を具現化するプロジェクトとなる。

同プラットフォームは医療データを収集・保持するデータレイクと、データウェアハウス(DWH)をGoogle Cloudのアナリティクスプラットフォーム「BigQuery」や、フルマネージドのワークフロー オーケストレーションサービス「Cloud Composer」などを用いて構築し、拡張性とデータへのアクセシビリティの向上を図った。

現在、京都大学の医学研究科や医学部附属病院向けのデータ提供に加え、臨床研究での活用もスタートしており、最近では希少疾患診断率向上のための研究として医療データAIの検証を実施した。

今後、京都大学と日本IBMで収集データを拡充するとともに、画像データを含む同大の医療データに関するデータカタログの整備、グローバル標準の医療データ交換規約であるHL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)への対応、京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT)でのデータ利活用基盤としての拡張などを通じ、データレイク、DWH利用の場を拡大していく。

また、京都大学医学研究科附属医療DX教育研究センターで、医療AIアプリケーションを研究者や学生同士で共創し、データレイク、DWHのデータを用いて医学部附属病院などで試用するための環境の提供にも取り組み、研究・教育活動に貢献していくという。

さらに、日本IBMとGoogle Cloudは今後、そのほかの病院や企業・地域においても病院の医療データやPHR(Personal Health Record)、個人の健康データを連携してデジタルサービスを提供できるような基盤としての展開を計画している。