Samsung Electronicsは、顧客の在庫調整の影響からファウンドリ事業の稼働率が低下しており、受注を確保するために成熟プロセスの生産受託価格を1割引き下げることで、台湾のネットワーク関連チップメーカーから受注を獲得した模様だと台湾メディアが報じている。この動きに併せるように、成熟プロセスをビジネスの中心に据える台湾ファウンドリのUMCやTSMC傘下のVanguard International Semiconductor(VIS)も条件付きながら、値下げを開始したともされている。

一方のUMCは、生産受託価格の噂についてはコメントしないとしているが、2023年第1四半期の稼働率を70%と、前四半期の90%、その前までの100%と比べるとかなり低く見積もっており、稼働率の上昇は下半期(7~12月)以降との見方を示している。

Samsungは6nmロジックプロセスの生産受託価格も引き下げへ

このほか、台湾Digitimesによると、SamsungはTSMCの6 nmプロセス(N6)を採用しているQualcommのSnapdragon 600/700の受注の一部を獲得することを目的に、生産受託価格の引き下げを検討しているという。また、MediaTekとも、交渉を進めている模様であるともされている。

Samsungの内情に詳しい関係者の話によると、5/4nm FinFETプロセスや3nm GAA(Gate-All-Around)プロセスの歩留まりはTSMCに比べてかなり低いものの、7/6nm FinFETプロセスの歩留まりは安定していることから、6nmプロセスの生産受託価格を引き下げて拡販することで、製造ラインの稼働率を上げようとしているのではないかと考えられるとしている。 台湾の半導体サプライチェーン関係者によると、Samsungの半導体生産受託価格は以前から同業よりやや低かったとのことで、それをさらに1割値下げしたとなれば、ファブレス各社はSamsung以外のファウンドリにも値下げ交渉を持ち掛ける動きがでてくるのは必定と指摘している。

VISの2023年1月売上高は前月比13.7%増

VISの2023年1月の業績発表によると、売上高が前年同月比では23.4%減も、前月比では13.7%増の32億NTドルになったいう。同社の売上高は2022年後半4か月連続で減らし続けていたが、ようやく下げ止まった感がある。

VISは200mmファブのみを運営するファウンドリであるが、1月はQualcommからの電源管理ICの注文が増加したことが背景にあると見られている。これは、QualcommがこれまでSMICへの発注分をVISにシフトしたためだとされており、このほかVISは、米中対立の影響から、Analog Devices(ADI)やMonolithic Power Systems(MPS)からも大量注文を獲得した模様だとされている。

VISでは、2023年第2四半期(4~6月)にディスプレイドライバIC(DDI)や電源管理IC(PMIC)の在庫調整が一服するものの、パソコン、スマートフォンの在庫調整はまだ2~3四半期かかる見通しとの見方を示しており、稼働率については、今年半ばから上昇し、年末には80%まで回復する見込みとしている。