半導体およびFPD基板搬送装置メーカーのローツェは、2023年2月期の上期(2022年3-8月)の売上高が、前年同期比55%増の457.5億円、純利益は同125%増の123.7億円となったと発表した。半導体関連装置の売上増と円安により過去最高の増収増益を記録したという。

同期間の半導体関連装置の受注高は292億円、受注残高は645億円と過去最高を更新し、下期も安定した経営が期待されるという。その下期はインフレ懸念による景況悪化やメモリ価格の下落に伴い、足下の事業環境に不透明感広がるとしつつも、好調な受注残と為替の状況を考慮した結果、通期の連結業績予想を上方修正し、通年売上高を期初計画比で8.7%増となる964.7億円に、純利益を同25.5%増の227.9億円としている。

上期売上高を国・地域別に見ると、中国31%、米国25%、台湾18%、日本9%、韓国8%、その他(欧州、ベトナム、シンガポールなど)9%と、他の多くの装置メーカーと同じく中国が最大市場であり、中国ならびに米国市場では、製造装置メーカー向けEFEMが好調であったとする。また台湾ではファウンドリ向けのウェハストッカーやソーターの売り上げが伸びたとしている。

なお、同社の主力工場群があるベトナムでは、8棟目となるA10工場が9月に竣工し、生産を開始したことで、同地での従業員数は3300人を超え、広島県福山に本拠を置くローツェ本体の従業員232人ならびに、海外連結子会社などを含めると、全体で従業員数は4167人(2022年8月末時点)まで増加したという。

  • ローツェのベトナムA10工場

    ローツェのベトナムA10工場 (出所:ローツェ発表資料)