CureAppは9月1日、高血圧症向け治療用アプリ(DTx)である「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」の6か月指導プログラムが同日付で保険適用され、全国の医療機関への販売を開始したことを発表した。

DTxは、従来の医薬品・医療機器では治療成績不良な疾患に対し、医学的エビデンスを基に規制当局の承認の上で治療効果を創出するデジタルヘルスの1種。欧米では、さまざまな種類のDTxが提供され、数万人規模のダウンロード実績があるという。

今回の保険適用は、6か月間のCureApp HTの活用、日々の血圧測定、そしてアプリの記録を元にした医師による専門的指導が組み合わされた三位一体の6か月指導プログラムとして、高血圧症の患者に対して処方・提供されるもので、CureApp HTは高血圧をはじめとする生活習慣の修正に必要な知識の習得、行動の実践、行動の習慣化による生活習慣の修正を支援していくものとなる。

  • 治療用アプリ×血圧測定×医師の専門的指導の6か月指導プログラム

    治療用アプリ×血圧測定×医師の専門的指導の6か月指導プログラムのイメージ。三位一体のプログラムとすることで、高血圧患者の生活習慣改善の定着に貢献するとしている (提供:CureApp)

費用としては、患者負担(3割の場合)は月額2490円(初月のみ2910円、このほか実際の臨床においては初診・再診料などの園がの診療費用も別途発生)。国内第III相多施設共同無作為比較試験では、12週の利用で脳心血管病の発症リスクの10.7%低下の臨床的意義、起床時家庭収縮期血圧4.3mmHgの群間差は、心不全リスクを54%減といった効果を確認したとしており、医療経済評価調査企業により同プログラムに関する費用対効果が分析されたところ、生活習慣修正/薬物療法時の生涯医療費753万2718円に対し、生活習慣修正/薬物療法+CureApp HTの生涯医療費は693万6888円と、1患者あたり59万5830円の生涯医療費の削減が期待されるという結果も得たという。

患者向けに提供されるアプリは、スマートフォン用で、2022年9月1日時点で、Android 8以上もしくはiOS13以上に対応するとしており、2GB以上のメモリ搭載端末を推奨環境としている。ダウンロード自体は各OSのアプリストアにて無料で行うことが可能だが、アプリにログインするために必要なパスワード(処方コード番号)を医療機関で発行してもらう必要がある。

  • CureApp HTの概要

    CureApp HTの概要 (提供:CureApp)

なお、今回は6か月指導プログラムとしての保険適用だが、これは治験期間が6か月であったためで、今後、さらなる長期間のデータをそろえて、より長期での活用を目指した取り組みを進めていく予定としている。