キヤノンは6月13日、2012年4月に発売した半導体露光装置であるKrFスキャナ「FPA-6300ES6a」について、300mmウェハで毎時300枚のスループットを実現する生産性向上オプション「Grade10」を2022年8月上旬より提供すると発表した。

  • FPA-6300ES6a

    FPA-6300ES6aの外観 (画像提供:キヤノン)

半導体メーカーからは高スループットニーズが高まっており、それに対応するために開発されたオプションで、ショット間の移動を中心とした露光ステージの高速化や、基板搬送系の駆動の高速化を果たしたほか、ウェハ搬出工程に対してニューラルネットワーク(NN)を用いたステージ制御システムを導入することで、振動の軽減による精度の向上を実現。これにより、高精度を維持しつつ、毎時300枚(96ショット時)のスループットを実現したとする。

また、別オプションである重ね合わせ精度オプションを組み合わせて活用すること、で重ね合わせ精度4nmも実現できるとしている。

なお、Grade10についてはFPA-6300ES6aのPlusオプション適用済み装置が対象で、既設のものにも入れ替えなどを行うことなく導入が可能だとしている。

  • すでに工場で稼働しているFPA-6300ES6a

    すでに工場で稼働しているFPA-6300ES6a (画像提供:キヤノン)

このほか、同社では2023年中に200mmウェハ対応版のFPA-6300ES6aにもGrade10オプションを提供する予定としており、こちらもGrade10を導入することで毎時300枚のスループットを提供することができるようになるとしている。

キヤノンでは、NN技術など、さらなる高速化に向けた技術開発を継続して行っていくとしており、より高速なスループットを実現できるオプションの提供なども将来にわたって提供していきたいとしている。