島津製作所は6月9日、「超音波が物体表面を伝搬する様を撮像する」という独自の「超音波光探傷」技術を活用することで、航空機・自動車・電機・電子などの部品やマルチマテリアルなどの異常(剥離、亀裂、空洞など)を可視化・データ化することを可能とする超音波光探傷装置「MIV-X」を国内外で発売することを発表した。

  • 超音波光探傷装置「MIV-X」

    島津製作所の超音波光探傷装置「MIV-X」 (出所:島津製作所)

超音波光探傷は、検査対象物の表面を超音波で振動させ、振動によって生じた表面の剥離や亀裂などの異常を、、超音波の不連続(伝搬の乱れ)としてレーザー照明およびカメラで検知する技術。従来からある超音波探傷で見つけにくい深さ1mm程度の欠陥を可視化できるという特徴があり、さまざまな材料を組み合わせたマルチマテリアルの研究開発工程における接合や接着面の異常を容易に検査することができるという特徴があるという。

  • 超音波光探傷技術の仕組みのイメージ

    超音波光探傷技術の仕組みのイメージ (出所:島津製作所)

前世代モデル「MIV-500」は、輸送機や機械、素材、建設などの製造業・受託検査会社、マルチマテリアルなどの新素材開発を手掛ける研究機関などに販売されてきており、MIV-Xもその流れを受け、後継機としてそうした分野のカバーを行っていくという。