韓Samsung Electronicsは11月11日、高性能かつ大面積の実装が必要なHPC、AI、データセンター、およびネットワーク製品向けの半導体に特化した最新の2.5Dパッケージング技術である「Hybrid-Substrate Cube(H-Cube)」技術を開発したと発表した。同社とSamsungグループの実装技術開発を担当するSamsung Electro-Mechanics (SEMCO)および大手OSAT(アッセンブリおよび最終検査受託企業)である米Amkor Technologyと共同開発したという。

2.5Dパッケージングにより、ロジックチップまたは高帯域幅メモリ(HBM)を小さなフォームファクタでシリコンインターポーザの上に配置できる。SamsungのH-Cube技術は、ハイブリッド基板とファインバンプ接続が可能なファインピッチ基板、および高密度相互接続(HDI)基板を組み合わせて、2.5Dパッケージに大面積実装を行うことを特徴としている。

HPC、AI、データセンタ、ネットワーク市場では1つのパッケージに搭載されるチップの数とサイズが増加し、高帯域幅通信が必要になるため、大面積パッケージングが重要になってきている。インターポーザーを含むシリコンダイの取り付けと接続には、細かいピッチ基板が不可欠であるが、サイズの増加にともない価格が上昇する。また、6個以上のHBMを搭載しようとすると、大面積基板の製造が困難になり、効率が低下する。Samsungは、大型エリアで実装しやすいHDI基板がハイエンドのファインピッチ基板の下に重なっているハイブリッド基板構造を適用することで、この問題を解決したとする。

チップと基板を電気的に接続するはんだボールのピッチを従来のボールピッチと比較して35%減少させることで、ファインピッチ基板のサイズを小さくし、ファインピッチ基板の下にHDI基板(モジュールPCB)を追加してシステムボードとの接続性を確保している。

さらに、H-Cubeソリューションの信頼性を高めるために、複数のロジックチップとHBMを積み重ねるときの信号損失や歪みを最小限に抑えながら、安定して電力を供給できる独自の信号/電力整合性解析技術を適用した。

Amkor TechnologyのグローバルR&DセンターのシニアバイスプレジデントであるJin Young Kim氏は、「多数の半導体チップのシステム統合がますます必要になる環境下で、H-Cubeの共同開発は、HPC/AI市場への参入障壁を低くし、ファウンドリとOSAT企業間のコラボレーションとパートナーシップの成功の模範例となるであろう」と述べている。

  • H-Cube
  • H-Cube
  • H-Cubeのイメージ図 (出所:Samsung Newsroom's Media Library)