韓国の財界メディアCEOSCORE DAILYが、韓国半導体業界関係者からの情報として、韓国の2大半導体メーカーであるSamsung ElectronicsとSK Hynixの2021年上半期の半導体設備投資額の総額が30兆4477億ウォンとなり、メモリバブルのあった2017年上半期の25兆8277億ウォンならびに2018年上半期の26兆5617億ウォンを超え、過去最高額になったと報じている。また、通年での2社の投資総額は54兆4312億ウォンになる見込みで、過去最大であった2017年の51兆9205億ウォンを超えるものと予想されるともしている。

Samsungの投資額は、2017年に42兆7922億ウォンとピークを迎えた後、2018年29兆5564億ウォン、2019年25兆3678億ウォンと減少していたが、2020年に37兆5920億ウォンと急増し、2021年上半期だけで23兆5281億ウォン、2021年通年でも40兆8396億ドルで過去最大の2017年の値に迫る勢いとなっている。一方のSK Hynixの投資額は2018年が16兆361億ウォン、2019年が13兆9202億ウォン、2020年が10兆687億ウォンと徐々に減らしてきていたが、2021年の年間投資額は13兆5916億ウォンと増加することが予測されている。

なお、米国の証券会社Morgan Stanleyが8月に「冬の時代が来る」と題する半導体メモリに需要の陰りがみられるとのレポートを発行して、関連株が一時急落するという事態となったが、Samsungの関係者によると、半導体企業は製造者の立場で、証券業界は消費者の立場を中心に業況を分析しており、その過程で差が生じたものとの見方を示している。半導体メモリの生産には通常、4〜5か月ほどの期間が必要となることから、大口顧客との長期契約を遂行するために設備投資は計画通りに進められる予定だという。