半導体技術を医学分野に応用することに注力しているベルギーの独立系研究機関imecは、脳卒中や心不全などの心血管疾患のリスクマーカーである動脈硬化症を見出すための圧電MEMS超音波トランスジューサ(pMUT)センサを開発したことを発表した。

小型の超音波センサを使用して心臓に近い動脈脈波伝播速度(PWV)を測定することにより、従来の腕などからの測定よりも信頼性の高い血圧を測定することが可能になるため、開業医などの診察の段階で、患者の心血管疾患の有無を把握することを可能にするとimecでは説明している。

心血管疾患は、世界的に主要な死因の1つであり、リスクのある個人を早期に特定することで、治療を早い段階から実施することが可能となる。しかし、その予測因子である動脈硬化の評価手法であるPWV測定は、従来は侵襲的な手法などが必要とされることなどもあり、利用に制限があったという。今回のimecのアプローチを活用することで、手軽なPWV測定が可能となるという。

すでに、概念実証として小規模コホート研究が進められており、有効性が確認されているという。

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  • 圧電MEMS超音波トランスジューサ(pMUT)センサ(上)と取り出し信号例(下) (出所:imec)