2021年版の半導体製造装置サプライヤ顧客満足度ランキング、1位は日本企業

半導体産業および半導体製造装置市場調査会社である米VLSI Researchは、毎年恒例の半導体製造装置メーカーおよびサブシステムメーカー顧客満足度調査2021年版を発表した。

世界中の半導体製造装置およびサブシステムの顧客を対象に行い、世界中の半導体メーカーの89％、および半導体製造装置サブシステム(付帯設備)顧客の79％から1,337通、18,148項目の回答を得たという。3つの主要事項である「サプライヤとしての対応」「顧客サービス」「製品性能」の3つのキーファクターに基づく、「コスト・オブ・オーナーシップ」「フィールド・サポート」「信頼性」「パートナーシップ」等の14項目で装置メーカーを評価、格付けして最終的に10点満点で集計し、9点以上を5つ星、8点以上を3つ星、7点以上を3つ星とし、顧客満足度の高い3つ星以上の企業を発表した。

5つ星はアドバンテストとASMLの2社

顧客満足度が3つ星以上の半導体製造装置メーカートップ10を、過去3年間の半導体製造装置売上高の平均値により大企業(Large)と中小企業(Focused)に分けて見てみると、大企業は9社、中小企業は7社しか掲載されていないが、これは3つ星(7点以上)を獲得した企業が10社に満たなかったからである。

2021年半導体製造装置メーカー顧客満足度ランキングトップ10 (出所:VLSI Research)

最高ランクの5つ星を獲得したのは、アドバンテストとASMLの2社で、アドバンテストは、「サプライヤとしての信頼度」と「顧客との提携(パートナーシップ)」が高く評価され、ASMLは「技術的なリーダーシップ」と「他に勧めたいサプライヤ」の2項目が高く評価されたという。ちなみに、アドバンテストは顧客満足度調査で2年連続で最高点を獲得したことになる。

日本企業としてはこのほか、4つ星に東京エレクトロンが「結果としての品質」と「アップタイム(稼働率)」の2点が評価されてランクイン。3つ星と認定された日本メーカーは以下の4社となっている。

KOKUSAI ELECTRIC (製品の性能。顧客との提携と稼働率)
日立ハイテク (ソフトウェアの優秀さ、全体としての価値)
ニコン (特記事項なし)
キヤノン(アップタイム、結果としての品質)

2021年半導体製造装置メーカーおよびサブシステムメーカー顧客満足度で高得点を獲得した各企業の最も得点の高かった2項目 (出所:VLSI Research)

サブシステム顧客満足度ランキングには日本企業が2社

テストサブシステム

テストサブシステム(=テストコネクティビティ=プローブカード)サプライヤとしては、1位のTechnoprobe、2位のFormFactor、そして3位に日本のNidec SV TCLが入っている。同社は「顧客との提携」と「約束を守る」ことが高く評価されて4つ星半を獲得した。

テストコネクティビティサプライヤ顧客満足度ランキング。7点以上を獲得したにはこれら3社のみ (出所:VLSI Research)

ウェハ工程および実装工程サブシステム

前工程(ウェハ工程)サブシステムとしては、ポンプサプライヤのEdwardと日本の露光装置光源メーカーであるGigaphotonが4つ星半を獲得した。後工程(組み立て、実装)装置サプライヤとしては、ASM Pacific Technologyのみが選ばれ、日本企業は対象とはならなかった。

半導体製造装置およびサブシステムの製造分野別の顧客満足度ランキング (出所:VLSI Research)

2年連続で顧客満足度1位を獲得したアドバンテストは33年間トップ10を維持

ちなみにアドバンテストはVLSI Researchの顧客満足度調査において、2年連続で第1位を獲得し「トップ10 BEST Suppliers」を33年連続で受賞したことになる。これを受けてアドバンストの代表取締役社長である吉田芳明氏は「昨年に引き続き、今年も世界中の顧客から高い評価をいただいたことを大変光栄に思うとともに、このような困難な状況においても顧客サポートするという当社のコミットメントを維持できていることを嬉しく思う。今後も当社はテストおよび計測ソリューションを半導体バリューチェーン全体に展開し、顧客からの信頼を継続して得られるよう努めていく」とのコメントを発表している。

なお、VLSI Researchによると、アドバンテストは、「推奨したいサプライヤ」「信頼度の高いサプライヤ」「技術的リーダーシップ」「顧客との提携」「フィールド・サポート」の5つの項目において、10点満点中9.5点以上の評価を獲得した結果、すべての半導体製造装置メーカーの中で最高点を獲得したという。