Texas Instruments(TI)は1月7日(米国時間)、先進運転支援システム(ADAS)ならびに車載ゲートウェイ・アプリケーションに向けた新たなプロセッサ・プラットフォーム「Jacinto 7」を発表した。

同プラットフォーム初のデバイスは、ADAS向けの「TDA4VM」とゲートウェイ・システム向けの「DRA829V」で、コンピュータビジョンやディープラーニングといった処理を高速化する、専用のチップ内蔵アクセラレータを搭載している。また、2製品ともに、機能安全マイコンを内蔵。これによりOEMやティア1サプライヤ各社は、1チップで、ASIL-Dレベルの安全性に必要となるタスクをサポートしながら、さまざまな機能を活用することができるようになるとTIでは説明している。

TDA4VMは、解析機能を搭載することで、センサでの前処理と合わせてシステム性能を高めることが可能。これにより、OEMやティア1サプライヤ各社は、8Mピクセルのカメラを用いたフロント・カメラ・アプリケーションをサポートしたり、運転アシストといった拡張機能を追加したりできるようになるとする。また、4~6台の3Mピクセルカメラを同時に操作しながら、レーダーやLiDAR、超音波などのその他のセンシング手段も処理することが可能だとしている。

一方のDRA829Vは、先進的な車で要求される情報処理機能をシームレスに統合しているほか、PCIeスイッチやTSN対応8ポート・ギガビット・イーサネット・スイッチも内蔵している。このため、OEMやティア1サプライヤ各社は、さまざまな重要度が入り混じったアプリケーションを1チップで処理することが可能になるとするほか、より高速になったオンチップの帯域幅により車載ソフトウェアの開発と検証を管理できるようになるため、アップデートやアップグレードをよりダイナミックに行うことが可能になるともしている。

さらに、これら2製品は1つのソフトウェア・プラットフォームを共有しているため、車載関連の多数の分野の開発でソフトウェア投資を再利用できることから、システムの複雑性とコスト低減も可能になると同社では説明している。

なお、2製品ともにサンプル出荷を開始しており、単価は1000個注文時で97ドルから。量産製品については2020年下期から供給される予定としている。

  • Jacinto 7

    ADAS/車載ゲートウェイ向け車載プロセッサ・プラットフォーム「Jacinto 7」の適用イメージ